『ゴッドファーザー』伝説的プロデューサー、ロバート・エヴァンスさん死去
映画『ゴッドファーザー』『チャイナタウン』などを製作したアメリカの伝説的プロデューサー、ロバート・エヴァンスさんが、10月26日に89歳で亡くなった。The Hollywood Reporter ほか複数メディアが報じた。
エヴァンスさんは、1930年ニューヨーク生まれ。兄弟で共同経営したアパレル会社で成功した後、ロサンゼルスに滞在中、大女優ノーマ・シアラーに見いだされて俳優に。だが、俳優を続けることに満足できず、その後、プロデューサーになるために有名な書物の版権を獲得し始めた。
すると、ニューヨーク・タイムズの記者、ピーター・バートに注目され、話題のプロデューサーとしてニューヨーク・タイムズの記事に掲載される。その記事を読んだ経営難にあったパラマウントを買収したガルフ&ウェスタンの会長、チャールズ・ブラウドーンが、エヴァンスさんをパラマウントの社長に就任させ、エヴァンスさんは1967年~1974年までパラマウントの社長を務めた。
その頃エヴァンスさんは、『ゴッドファーザー』『チャイナタウン』『ローズマリーの赤ちゃん』『ある愛の詩』などを製作しただけでなく、フランシス・フォード・コッポラ、ロマン・ポランスキー、ハル・アシュビー、ジョン・フランケンハイマーなど多くの監督にチャンスを与えた。
だが、1980年代にはコカインの違法取引で有罪になったり、女優アリ・マッグローとの結婚も含め7回結婚したりと、スキャンダラスな面でも話題になった人物で、2002年には自身を題材にしたドキュメンタリー映画『くたばれ!ハリウッド』も製作された。ちなみに、映画『ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ』のダスティン・ホフマンのキャラクターのモデルになった人物でもある。 (細木信宏/Nobuhiro Hosoki)