30年越しの完成!テリー・ギリアムのドン・キホーテ映画、1月公開
映画『未来世紀ブラジル』などのテリー・ギリアム監督が、1989年に構想開始してから約30年を掛け、9回の頓挫を経て完成させた『ザ・マン・フー・キルド・ドン・キホーテ(原題) / THE MAN WHO KILLED DON QUIXOTE』。本作が、『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』の邦題で来年1月24日より日本で公開されることが決定した。
『ザ・マン・フー・キルド・ドン・キホーテ(原題)』海外版予告編
本作は、スランプに陥ったCM監督トビーが、10年前に撮影した映画「ドン・キホーテを殺した男」でドン・キホーテ役に抜擢した老人ハビエルと再会したことから奇妙な旅に巻き込まれていく物語。久々に舞台となった村を訪れたトビーは、自分を本物の騎士だと信じ込む靴職人のハビエルに遭遇。さらに、ハビエルはトビーを忠実な従者のサンチョだと思い込んでおり、無理やりトビーを引き連れて冒険に出る。
主人公トビー役は、ジョニー・デップやユアン・マクレガーらそうそうたる顔ぶれが浮上しては消えた結果、『ブラック・クランズマン』『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』などのアダム・ドライヴァーに決定。自身をドン・キホーテと信じる老人ハビエルに、ギリアム監督と『未来世紀ブラジル』『ブラザーズ・グリム』などで組んできたジョナサン・プライス。トビーのボスに『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』『ドラゴン・タトゥーの女』などのステラン・スカルスガルド。ボスの妻でトビーを誘惑するジャッキに『007/慰めの報酬』のオルガ・キュリレンコ。その他、新進女優ジョアナ・リベイロ、オスカル・ハナエダ、セルジ・ロペスらが名を連ねる。
本作の撮影が始まったのは、19年前。2000年にスペイン・マドリードで始まるが、撮影現場周辺を軍用戦闘機が飛び交い中断。さらに鉄砲水に襲われ撮影機材が流出し、景色も様変わりしてしまう悲劇に見舞われ、ドン・キホーテ役の故・ジャン・ロシュフォールさんが腰痛を訴え、歩行困難となり降板。その後も資金繰りやキャスティング、権利関係の問題により何度も企画が頓挫。もはや呪われているとしか言いようがなく、その過程を収めたドキュメンタリー映画『ロスト・イン・ラ・マンチャ』(2002)まで公開された。
ポスタービジュアルには、ドン・キホーテが木馬にまたがり空に剣を掲げる姿や、風車と巨人、巨大な掌に立ちすくむトビーの姿などが収められ、夢と現実が混在するギリアムらしい世界観が現れている。(編集部・石井百合子)
映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』は2020年1月24日よりTOHOシネマズシャンテほか全国公開