桜井日奈子、奥華子の生歌にうるうる…
女優の桜井日奈子が7日、スペースFS汐留で行われた映画『殺さない彼と死なない彼女』の公開直前イベントに来場し、主題歌を担当した奥華子の歌声に瞳を潤ませた。この日は桜井と奥のほか、共演者の堀田真由、箭内夢菜、ゆうたろう、小林啓一監督も登壇した。
本作は、漫画家・世紀末のコミックを原作に、何事にも興味が持てない無気力男子高生(間宮祥太朗)と、心優しい死にたがりの少女(桜井)の姿を描くラブストーリー。これまで行われた試写会でも多くの観客の涙を誘っており、アンケートでは「泣ける」と答える人の割合が91%に達したという。そこで今回は、来場者にロゴ入りのオリジナルハンカチタオルを配布して、“号泣試写会”としての実施となった。
その趣旨通り、映画上映後の会場内にはハンカチで涙をぬぐい、余韻に浸る人たちの姿が見受けられ、しんみりとした雰囲気に。壇上に姿を見せた桜井は「わたしは普段、自分のことでエゴサーチはしないんですが、この作品については試写会を観た人のコメントを調べてしまうんです」と切り出し、「わたしが(印象的だと)思うのが、自然光ですね。照明部さんがいないので、みなさんが普段過ごしている空気感に近い。だからこの世界観に入り込みやすかったんじゃないかと思います」と分析してみせた。
この日はスペシャルゲストとして、本作の主題歌を担当した奥が来場。もともと原作のファンだったという奥は「3曲くらい作ったんですが、監督さんからNGをいただいてしまいました。それらの曲は(桜井が演じる)鹿野ちゃんに感情移入しすぎて、切なすぎた。監督からは希望の持てる曲を、と言われて、最後にできた曲が(主題歌の)『はなびら』でした。監督に作らせていただいた感じです」と振り返る。
ステージで主題歌をフルバージョンで披露した奥。その歌声を客席で聞いていた登壇者たちの目には、涙が浮かぶ。堀田は「我慢していましたけど、涙があふれてしまって。奥さんが楽曲に込めた意味をパンフレットで読ませていただいて、映画と同じくらい楽曲にも意味が込められているんだなと思ったらドワッと涙が出てきました」と語った。
桜井も「控えめに言って、最高です。浄化されました。ストーリーを思い浮かべながら聞いていると、やはり一言一句、無駄のない歌詞だなと、すべてが胸に刺さりました。はなびらが散るようにそばにいてくれた、というお洒落な例えが……もう最高です」と感激の表情を見せた。(取材・文:壬生智裕)
映画『殺さない彼と死なない彼女』は11月15日より公開