ディーン・フジオカ「冴羽リョウ役きたか!」北条司監督作に興奮
俳優ディーン・フジオカが16日、ユナイテッド・シネマ豊洲で行われた映画『エンジェルサイン』(公開中)の公開記念舞台あいさつに松下奈緒と出席。セリフ無しの撮影の舞台裏を明かした。
本作は、「シティーハンター」などの漫画家・北条司が実写映画の総監督に初挑戦したオムニバスドラマ。セリフを使わない短編漫画を募集する「サイレントマンガオーディション」に世界108の国と地域から寄せられた作品の中から選び抜かれた受賞作5編に、北条が描き下ろした「プロローグ」「エピローグ」を加えて構成されている。ディーンと松下は、北条がメガホンを取った「プロローグ」「エピローグ」に出演した。
ディーンはセリフ無しの演技について当初は「自分の中でどうなるのかなって思っていた」と不安に感じていたというが、いざ撮影が始まると「現場は自由な感じ。北条監督が各担当者たちに力を発揮してもらえるようなディレクションを意識して行っていて、楽しかった」と心配が吹き飛んだという。
演技は北条の描いた絵コンテを見ながら行ったといい、そのタッチを見て「『シティーハンター』をやるのかなって思った」と興奮したとも明かす。「冴羽リョウ役きたか! って。『シティーハンター』と『キャッツ・アイ』のスピンオフのように見えるんです」と嬉しそうにコメント。「ミュージックビデオとか尺のないコマーシャルをやるみたいな感じでした。絵コンテを細かく描いて撮るわけですから、そういうものの感覚に近かった」と撮影の印象を述べる。
撮影中、屋外で楽譜を手に持ち、そのまま道路を飛び出して横断歩道を渡って、地下鉄の階段をかけ降りるシーンがあったともいい「焦っている感がないから、もうちょっと早く走ってって言われて」と北条との微笑ましいやり取りも紹介。「地下鉄の階段を下るのは結構なアクションシーンでした。自分的には難易度高いなって。命を懸けて演じました」と笑顔で話した。
松下も「普段はセリフを話して台本に書かれている言葉を頼りに演じていたので、台本をもらった時に未知のことばかり、どう進めるかもわからない状況で、撮影前はドキドキしていました」と回顧。「監督からは自由にやってくださいと言われたんですけど、だからこそ怖さもあった。でも現場では的確なアドバイスを(北条が)いつも下さった」と述べ、本作の撮影を通じて「セリフが無いからといって何かが足りないわけではなくて、セリフが無いからこそいろんな世界が広がっているということを改めて感じさせてもらえました」と語っていた。(取材・文:名鹿祥史)