役所広司、沢城みゆき&宮野真守の影の努力に感嘆!
俳優の役所広司が16日、TOHOシネマズ日比谷にて行われた主演映画『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』(公開中)の公開記念舞台あいさつに、日本語吹き替え声優を担当した沢城みゆき、宮野真守と出席。役所は、沢城が収録前にコマ単位で目まぐるしく動く感情を捉えるために、自宅で徹夜のリハーサルをしていたことを聞くと感嘆していた。
本作は『レッドクリフ』シリーズや、『M:I-2』などを手掛けたプロデューサーのテレンス・チャンが製作を務めた山岳アクションアドベンチャー。役所は、標高8,848メートルを誇る世界最高峰のエベレストを舞台に“ヒマラヤの鬼”と呼ばれる救助隊「チーム・ウィングス」の隊長ジアン・ユエシュンを演じる。
これまでのイベント等でも、役所が標高6,000メートル級の山で激しいアクションを繰り広げたり、長時間ワイヤーに吊るされ体中あざだらけになったというエピソードが明かされていたが、中国人女優チャン・ジンチューの声を担当した沢城は、司会者から日本語吹き替えで大変だったことを聞かれ「そんなそんな(役所の撮影でのエピソードを聞いて)大変なことなんてないです」と恐縮する。
それでもクライマックスシーンで半フレームごとにアクションが変わる場面では「1秒の中にいっぱい情報が入っていて、それを一つ一つ拾い上げていく作業は果てしない。今回はセリフよりもアクションの息遣いがより重要だと感じたので、手数が多くて大変でした。今年やった仕事で一番大変だったかも」と述懐する。台湾人俳優リン・ボーホンの声を担当した宮野も沢城の発言に大きく頷き、「サスペンスの要素のある作品で、感情の動きも激しいので疲労感はありました」と追随。役所自身も、自らの芝居に声を当てる作業を行ったが「撮影のときの息遣いとは明らかに違うので、すごく大変。疲労感がありました」と振り返っていた。
さらに沢城は、最初はシーンのタイム表示を目安に声を当てていたというが、それを見ている暇がないほどの動きだったために、とにかく作品を観て、感情をシンクロする作業を、徹夜で行っていたというエピソードを披露する。役所は「徹夜で……そこまでやるんですね。すごい」と声優という仕事の奥の深さに感嘆すると、宮野は「役所さんにそう言っていただけて嬉しいです」と破顔していた。
司会者から「これからアクション映画にもさらに?」と触れられた役所は「アクション映画はもういいかな……怪我をしてしまうので」と苦笑いを浮かべていたが、「いろいろな国の俳優さんとスタッフの方と力を尽くして作った映画です。撮影には4か月ほど費やしましたが、自分が演じる役と長く付き合うのは贅沢な経験でした」と大きな意義のあった撮影だったことをしみじみと語っていた。(磯部正和)