松本穂香、主演作に自然と涙…
女優の松本穂香が16日、新宿武蔵野館で行われた主演映画『わたしは光をにぎっている』(公開中)の公開記念舞台あいさつに登壇。これまでさまざまな作品に出演してきた松本だが「こんなに客観的に自分の映画を観ることができたのは初めて。観客として涙が流れました」と思い入れいっぱいに語った。舞台あいさつには、渡辺大知、徳永えり、中川龍太郎監督も出席した。
本作は、第39回モスクワ国際映画祭で2冠に輝いた『四月の永い夢』の中川龍太郎監督最新作。ドラマ「この世界の片隅に」でヒロインを務めた松本を主演に迎え、銭湯を舞台に、そこに集う人々との触れ合いを通じて生き方を見つけていく姿を描く。
中川監督は、自らが住んでいた川崎市・登戸が、都市開発でまったく違う街に様変わりしたことに寂しい気持ちを抱き、映画化を企画したという。そんな思いに松本は「そういう気持ちを抱いている人はたくさんいると思う」と感情移入できたことを明かすと「映画ってずっと残っていくもの。すごく意味のあることだと思いました」としみじみ。
これまで自身の作品を鑑賞するとき、なかなか客観的に観ることができなかったという松本。しかし本作は「純粋に好きな映画だと思った」と観客目線ですんなり観ることができた作品だというと、試写会では自然と涙がこぼれたほど思い入れの強い作品になったようだ。
そんな松本に対して、中川監督はサプライズで手紙を贈る。本人がいるのになぜか代読を渡辺に託すと、渡辺は「欠席した人の手紙を代読したことはありますが、本人がいるのに読んだ経験がない」と躊躇しつつも、松本を労う手紙を読んだ。
松本への女優としての称賛や、更なる作品でのタッグを熱望する内容に、渡辺は「これはラブレターじゃないですかね」と突っ込みを入れるが、松本は「中川監督らしい、すごく優しくて素敵な言葉で伝えていただきました。この先も監督にわたしを撮ってもらいたいなと思いました」と笑顔を見せていた。(磯部正和)