まいんちゃんから殺人鬼役へ…女優・福原遥の目覚ましい進化
NHK Eテレの子供向け料理番組「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」(2009~2013)の“まいんちゃん”こと柊まいん役で人気を博した福原遥。ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」では涙の演技で視聴者の心をつかみ、最新作『羊とオオカミの恋と殺人』(11月29日公開)では殺人鬼役で新境地に挑むなど、女優として目覚ましい進化を遂げている。
子役時代に脚光を浴び、その後も芸能界の第一線で活躍を続けている福原は現在21歳。今年は出演作が飛躍的に増えており、映画だけでも『映画 プリキュアミラクルユニバース』『4月の君、スピカ。』『映画 賭ケグルイ』『HELLO WORLD』『羊とオオカミの恋と殺人』に出演。女優、声優として存在感を発揮している。
その存在感は出演本数の話だけではない。まいんちゃんで多くの人に認知されたこともあり、明るくピュアな印象が強かったが、今年はそんなイメージを打ち破る役柄にも多数挑戦している。ドラマ「3年A組」では敵に回すと厄介な恋愛体質の女子高生というこれまでのピュア路線とは異なるキャラクターに変身。教師役の菅田将暉と対峙する場面でも、若手実力派の菅田に引けを取らない熱演でドラマを盛り上げた。
また、5月に公開された『映画 賭ケグルイ』では、学園に現れた新勢力の幹部生徒役で本人も「あそこまで振り切った演技に挑戦するのは初めて」(シネマトゥデイインタビューより)というほどの狂気に満ちた演技を披露。強烈なキャラクターが多数登場する同作だが、福原のダークな怪演は大きなインパクトを残した。
そんな福原が念願だった殺人鬼役に挑んだのが最新作『羊とオオカミの恋と殺人』だ。自殺願望がある男の子と殺人鬼の美少女の恋模様を描き出す同作で、福原は一見ごく普通の女性のようで実は殺人鬼というヒロインにふんした。
殺人シーンではダンスのような美しい動きを要求されたそうで、およそ3か月のあいだ殺陣を練習。先日開催された完成披露上映会で「キレイに殺していく姿を表現することには苦戦しました」と振り返っていた。劇中ではその練習の成果を発揮し、清楚で可愛らしい少女の顔と、デート中にもかかわらず手を血に染める殺人鬼の顔を併せ持つ複雑なキャラクターを演じきっている。
バラエティー番組「もしもツアーズ」にレギュラー出演するなど、幅広いジャンルで活躍しているが、やはり子役時代のイメージから徐々に脱却しつつある女優としての今後に期待がかかる。来年はテレビアニメ化されて大ヒットを飛ばした人気漫画「ゆるキャン△」のドラマ化(テレビ東京・2020年1月クール)で主演を務めることが決定しているなど、女優として着実にステップアップしており、その進化はまだまだ続いていきそうだ。(編集部・吉田唯)