あれから40年…『ドクター・スリープ』知っておきたい7つのこと
スティーヴン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督の名作『シャイニング』(1980)の40年後を描く『ドクター・スリープ』(公開中)を前に、本作の予告編に登場する『シャイニング』にまつわるキーワード、トリビアを紹介します。(編集部・石井百合子)
ダニー
『シャイニング』に父ジャック(ジャック・ニコルソン)の息子として登場した、『ドクター・スリープ』の主人公(ユアン・マクレガー)。幼いころ、冬季閉鎖中の展望ホテルで発狂した父に殺されそうになったトラウマがある。シャイニング(特別な力)をもつゆえの孤独も抱えており、40年後はすさんだ状態に。『シャイニング』ではアメリカ中の数百人の子役から抜擢されたイリノイ州出身のダニー・ロイドがダニー役に抜擢された。
『ドクター・スリープ』にはシャイニングを持つ少女アブラが登場。1,000人近いオーディションで、カイリー・カランが射止めた。
REDRUM
ダニーの黒板に書かれた文字で、MURDER(殺人)を意味する。少年時代、何者かにとりつかれたかのように「REDRUM(レッドラム)」と呪文のようにつぶやきながらホテルのドアに書いたことがあり、予知能力を持っていることが垣間見えた。
展望ホテル
作家志望のジャックが妻ウェンディと幼い息子ダニーを連れ、冬季閉鎖中の管理人を務めたホテル。アメリカ先住民の墓地の跡に建てられたという設定で、前管理人グレーディが冬季閉鎖中に妻と2人の娘を惨殺し、猟銃で自殺した過去がある。
『シャイニング』ではスタジオ内にまるごとホテルのセットをつくった。空撮はオレゴン州。外観のクローズアップは英国で作ったセット。キューブリック監督はアメリカ中のホテルにスタッフを送り込み、何千枚もの写真を撮らせてさまざまな客室を参考にしたというこだわりようだった。
キューブリック監督は当時、移動カメラに夢中でダニーがホテル内を三輪車で動き回るシーンでは、ダニーの低い視点を意識し、カメラを逆さに吊るして撮影。さらに車輪付きのイスをスタッフに作らせ、カメラを手に座ったまま移動した。
なお、『ドクター・スリープ』では美術チームがキューブリック財団の協力を得て、『シャイニング』の展望ホテルの映像と設計図を分析。約8,000平方メートルに及ぶセットは、アトランタにあるブラックホール・スタジオの4つの防音スタジオに建てられた。
ハロラン
ダニーの前に再び現れた黒人男性(カール・ランブリー)。展望ホテルの料理人だった。『シャイニング』ではスキャットマン・クローザースが演じていた。ダニーと同じくシャイニングがあり、ダニーに初めてその能力について説いた。初対面のダニーを“先生”と呼ぶが、その呼び名は両親だけが知っているもので、母ウェンディ(シェリー・デュヴァル)は首をかしげていた。シャイニングにより、ホテルの異変を察知したハロランは飛行機でホテルに飛ぶが、惨い末路に。
迷路
展望ホテルの庭にあったもの。『シャイニング』のクライマックスでは斧を手にしたジャックが息子ダニーを追いかけた。雪の迷路は凍り付く寒さを感じるが、セット内は何と30℃以上。雪は塩で作られていたため、スタッフのブーツが腐ってしまったとか。
237号室
ハロランが幼少期のダニーに「決して近づくな」とくぎを刺した展望ホテルの一室。ダニーの首にあざが付いており、ウェンディの訴えによると、この部屋にいた女の仕業によるもの。ジャックが確かめに行くと、一糸まとわない美女がバスタブから現れ、抱き合うが鏡に映った姿は朽ち果てていた。
2人の少女
展望ホテルで幼少期のダニーが目撃した。交互に血まみれになった彼女たちの姿が映し出され、父親に惨殺された娘たちであることがうかがえる。ちなみに、今年6月にGU(ジーユー)で映画とのコラボTシャツ「GU×クラシック フィルム(Classic Film)」が発売され、この姉妹をモチーフにしたバージョンがバカ売れした。