芦田愛菜、実写映画5年ぶり主演!今村夏子「星の子」映画化で
女優の芦田愛菜(15)が、芥川賞作家・今村夏子の同名小説を原作とした映画『星の子』で主演を務めることが明らかになった。芦田が実写映画の主演を務めるのは、2014年に公開された『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』以来5年ぶり。本作で芦田は自身と同じ中学3年生の役どころに挑む。監督・脚本を担うのは『さよなら渓谷』『日日是好日』などの大森立嗣。2020年の公開を予定している。
5歳の時に出演したドラマ「Mother」で脚光を浴び、「マルモのおきて」で連続ドラマ初主演。天才子役として注目を浴びながら、女優として着実にステップアップしてきた芦田。先日行われた、「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」での堂々とした祝辞が大きな話題を呼んだことも記憶に新しい。
そんな芦田が主演作『星の子』で演じるのは、中学3年生の主人公・ちひろ。両親から愛情たっぷりに育てられたちひろだが、両親は「あやしい宗教」を深く信じてしまっている。思春期を成長していくちひろは、生まれて初めて、両親と暮らす自分の世界を疑い始める。
原作を読み「信じる」ということに関して深く考えたという芦田。演じるちひろについては「少しずつ自分の環境に違和感を感じつつも、悩みながら素直に物事をうけとめて真っ直ぐに生きている女の子」と捉えており、「これからちひろをどんな風に演じていくか、そしてこの映画の中で“信じる”ということは何なのか? ちひろと共に探していきたいと思います」と意気込みを語った。
今村夏子による原作は、第157回芥川賞候補、第39回野間文芸新人賞受賞、2018年本屋大賞7位の話題作。今村の原作が映像化されるのは、本作が初めてとなる。なお、今村の最新作「むらさきのスカートの女」は令和初の第161回芥川賞を受賞している。
撮影は、今年12月から来年1月にかけて行われる見込み。(編集部・小山美咲)
コメント全文
<芦田愛菜>
原作を読ませていただいて、信じるということについて深く考えました。自分の考えとは違うと思っていても、大切な人の考えを信じてみようと思ったり……正しいか間違っているかの判断だけでなく、人はその人と、その周りをとりまく環境や人の想いによって見え方が変わってしまったり……誰かを、何かを、たとえそれが自分の大切な人でも迷わず信じ続けることはとても難しい。そう感じました。
私が演じさせていただくちひろは、少しずつ自分の環境に違和感を感じつつも、悩みながら素直に物事をうけとめて真っ直ぐに生きている女の子だと思います。これからちひろをどんな風に演じていくか、そしてこの映画の中で“信じる”ということは何なのか? ちひろと共に探していきたいと思います。
<監督・脚本:大森立嗣>
「星の子」という小説を読んで思ったのは、 自分のことを置いといてでも人を思う気持ちです。 敏感で多感な14歳の少女は風に揺れながら、飛んでいってしまいそうな小さな体で立っています。それでも自分のことのように人を思うのです。これなんだろう? と思ったら、優しさでした。この映画が清涼な一陣の風のように、皆様を優しさで包み込むようになればと思っています。
<原作:今村夏子>
この小説を書いた後、私の信仰の有無についてきかれる機会が何度かありました。信仰に限ったことではありませんが、 私は「信じる者」でも、「信じない者」でもありません。「信じたいのに、信じることができない者」であり、「信じて いたことが、だんだん信じられなくなってくる者」です。信じる、信じない、の狭間にあるこの物語を、映画という形で味わえること、とても楽しみにしています。私が掴み損ねたかもしれない、ちひろの心の深部に映像を通じて触れられるのではないかと今から期待しています。