ピンク・レディー、デビューのきっかけの地で感慨
1970年代に一世を風靡したスーパーアイドルデュオ、ピンク・レディー(未唯mie、増田惠子)が1日、有楽町のよみうりホールで行われた『映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか』の完成披露舞台あいさつに来場し、デビューのきっかけとなったテレビ番組「スター誕生!」ゆかりの場所での試写会に感慨深い様子をみせた。
本作は、ゲームやアニメ、漫画などで子供たちを中心に人気を博す「妖怪ウォッチ」劇場版シリーズの第6弾となる作品。トップクラスの能力者だけが入学できるY学園で、学園の「不思議解明ミッション」を下された寺刃ジンペイたちが、さまざまな怪事件の解決に挑むさまを描き出す。ピンク・レディーは本作の主題歌「メテオ」を担当。往年のピンク・レディーサウンドを彷彿とさせるアップテンポの曲となっている。
ステージに立った未唯mieは「こうしてピンク・レディーとして2人そろって登場するのは、とても久しぶりなので、新鮮な気持ちで立たせてもらっています」とあいさつ。増田も「このよみうりホールは、高校生のときに(視聴者参加型オーディション番組)『スター誕生!』のオーディションを受けにきた会場だったんです。ものすごく思い出が詰まった、わたしたちのルーツの場所なので、今日は興奮しています。1975年に立ったこの場所で試写会があるのは偶然でもあり、不思議な気持ちです」と笑顔を見せた。
この日は本作の製作総指揮・原案・脚本を務めるレベルファイブの日野晃博代表取締役社長も来場。「僕にとってピンク・レディーといえば子どものころの超アイドルで、レジェンドなのでオファーをするなんてとんでもないこと」と思っていたそうだが、同作の作詞・作曲を担当するボカロPのナユタン星人が、ピンク・レディーとのタッグを熱望。ダメ元でオファーをしてみたところ、二人とも快諾。増田も「(『妖怪ウォッチ』は)子どもたちに人気のアニメなので、そこはピンク・レディーらしいかなと思いました」と振り返った。
本作の方向性もピンク・レディーの意見が、大きく反映されたようだ。未唯mieは「最初にいただいたデモテープは、ギターのディストーション(歪んだ音)が入っていて、ちょっとロック寄りかなと思ったので、それをお伝えしたら、方向転換をしてアレンジも考え直してくださった。それでできた曲は70年代のピンク・レディーらしいブラス(管楽器)の音が効いていて。プラス(ピンク・レディーの曲も手がけた作曲家の)都倉俊一先生らしい弦の駆け上がりなども出てくる。本当にピンク・レディーらしい曲になりました」と述懐した。
増田も「本当にイントロからサビみたいな曲で。全部がおいしくて。ただレコーディング前に自主練習をしようと思ったら、本当に難しくて。低いところから高いところまでで、ブレス(息継ぎ)するところなんて一番の難関で。でも逆にやっつけてやるぞという闘志がわいてきて。レコーディングは楽しかった。未唯mieとも最後のレコーディングになるかもしれないから、心をひとつにして、ピンク・レディーらしいすばらしい音入れとなって。中毒性のある曲になりました」と自負してみせた。(取材・文:壬生智裕)
『映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか』は12月13日より全国公開