渋川清彦&阪本順治、別府で『半世界』トーク!ブルーバードはクセ者が似合う!
大分県別府市にある別府ブルーバード劇場で開催中の第3回Beppuブルーバード映画祭で稲垣吾郎が主演した映画『半世界』が1日に上映され、上映後に出演者の渋川清彦と阪本順治監督がトークイベントを行なった。
今年2月に全国公開された『半世界』は阪本監督が脚本も担当したオリジナル作品で、炭焼き職人として生きる紘(稲垣)が旧友と再会したことから自分のことを見つめなおす物語。紘の友人で帰郷してきた元自衛官の瑛介を長谷川博己、紘と瑛介の同級生である光彦を渋川が演じた。
これまでに何度も別府ブルーバード劇場を訪れている阪本監督は「今回の映画祭、たくさんのゲストが参加していますね。僕以外みんなクセ者ですけどね(笑)。ブルーバードにはクセ者が似合う(笑)」と会場を笑わせ、隣の渋川も「いやいやいや(笑)」と笑顔になった。
劇中には紘、瑛介、光彦の3人が突堤の上でおしくらまんじゅうをする場面がある。そのシーンの撮影ではなかなかカットをかけなかったという阪本監督。
「吾郎と博己に(渋川を)突堤から落としてくれとは言っていないと思うんです。なのに落とし始めたのが面白くて。(渋川が)ヘロヘロになっちゃってましたね」と振り返ると「俺だけ落とされるっていう……」と渋川は少し悲しそうにつぶやいて笑いを誘う。
阪本監督は「実はあそこのシーンはとても大事なカットなんです。あそこにしか、いい大人が中学時代に戻ってじゃれ合っているというところがなくて。だからもっと何かを見せてくれと思っていました」とカットをかけなかった意図を明かした。
今作の撮影の序盤に阪本監督はキャラクターのクセを伝え、それを適宜本番中にしてもらう「クセづけ」を行なったそう。渋川には「さわれる時にはもみあげをさわってほしい」という指示があり、稲垣の役にも布巾で口を拭くというクセづけを行った。自身について「クセ者ではない」とトークの冒頭で語った阪本監督の阪本監督ならではの演出方法の説明を、会場は興味津々の様子で聞き入っていた。(編集部・海江田宗)