松田龍平、中国の新映画祭で最優秀男優賞「信じられない」
中国・海南省三亜市で開催された第2回海南島国際映画祭の授賞式が8日に行われ、俳優の松田龍平が最優秀男優賞を受賞した。松田は沼田真佑の芥川賞受賞作に基づく映画『影裏』(2020年2月14日公開)に出演。壇上に登壇すると、信じられないというような表情で「賞をいただけると思っていなかったので何の言葉の準備もしていなくて、何を言ったらいいのか。海南島映画祭に本当にただただ感謝しています」と興奮気味にスピーチした。
『るろうに剣心』『3月のライオン』などの大友啓史監督が、故郷である岩手県・盛岡で撮影した本作。見知らぬ土地に移り住んだ会社員・今野が、その地でかけがえのない存在となった友人の失踪を機に、彼の知られざる顔に直面していくさまを描く。主人公の今野役に綾野剛。松田は突然失踪する友人・日浅を演じた。
本映画祭は、中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ)と海南省人民政府の共催により、海南島にある三亜、海口、瓊海の3市をつなぐ「島全体での映画祭」を目指し、昨年初めて開催。『影裏』は、今年から新設されたコンペティション部門の長編映画に選出。同部門の国際審査委員長をフランスの名女優イザベル・ユペールが務めた。最優秀男優賞は2人が選ばれ、チュニジア系フランス人のサミ・ブアジラと松田が受賞した。
壇上に上がった松田はトロフィーを受け取ると、「信じられないです。胸がドキドキしています。賞をいただけると思っていなかったので何の言葉の準備をしていなくて、何を言ったらいいのか」とコメント。「ただ、海南島映画祭に本当にただただ感謝しています。賞をありがとう。それから映画にかかわった監督をはじめスタッフのみんな、とても素晴らしい賞をいただきました。感謝です」と撮影現場を共にした仲間たちに感謝の気持ちを述べた。
なお、最優秀作品賞は先ごろ行われたアジア映画の祭典・東京フィルメックス第20回でグランプリを受賞した中国映画『気球』。同作の主演ソナム・ワンモも最優秀女優賞に輝いた。
第2回海南島国際映画祭の受賞結果は以下の通り。(編集部・石井百合子)
最優秀作品賞:『気球』(中国)
最優秀監督賞:リナ・ワン『はじめての別れ』(中国)
審査員賞:『ファイアー・ウィル・カム』(スペイン/フランス/ルクセンブルク)
最優秀男優賞:サミ・ブアジラ『ア・サン(原題)/A Son』(フランス)
松田龍平『影裏』(日本)
最優秀女優賞:ソナム・ワンモ『気球』(中国)
最優秀脚本賞:『ア・サン(原題)/A Son』(フランス)
最優秀芸術貢献賞:『ホワイト・スネーク(英題)/White Snake』(中国)
最優秀子供映画賞:『1982』(レバノン/アメリカ/ノルウェー/カタール)
最優秀ドキュメンタリー賞:『アバウト・ラブ(原題)/About Love』(インド)
最優秀短編映画賞:『ザ・サイズ・オブ・シング(原題)/The Size of Thing』(コロンビア)