『スター・ウォーズ』完結編で大活躍!C-3POの歩みを振り返る
映画『スター・ウォーズ』シリーズ完結編『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』では、金色の人気ドロイド・C-3POが大活躍する。主人公のレイ、フィン、ポー・ダメロンたちと一緒に、久々に冒険の旅へと出発し、シリーズに明るい笑いを甦らせてくれるのだ。(この記事は『スカイウォーカーの夜明け』の内容に触れています)
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C-3POは、おしゃべりで調子に乗りやすく、シリーズのお笑い担当も務めるドロイド。名コンビの相方であるR2-D2が人間の言葉を話さない分、彼がしゃべりまくって笑わせてくれる。また、R2が冒険心豊かな頑張り屋なのとは対照的に、C-3POは心配性でどちらかというと冒険を避けたがる性格だ。
もともとC-3POは、後にダース・ベイダーとなる幼少期のアナキン・スカイウォーカーが、母親のために作ったドロイドだった。その後、アナキンと妻のパドメに仕え、パドメの死後は、レイアと共に元老議員ベイル・オーガナが引き取り、ルークとレイアの存在を秘密にするため、それまでの記憶を消去された。それからはオーガナ家に仕えたアンティリーズ船長のドロイドとなり、『スター・ウォーズ/新たなる希望』でR2と旅に出ることになるのだ。
つまり彼は、本作で完結するスカイウォーカー家の物語をすべて見てきた重要キャラクターでもある。なにしろ、シリーズ全9作に登場したのは彼とR2-D2のみ。また、そのC-3POを演じる英国俳優アンソニー・ダニエルズは、全9作に出演した唯一の役者だ。
しかし、シリーズ32年ぶりの続編となったエピソード7『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)以降のC-3POを振り返ると、あまり活躍する場面がなかった。新たなドロイドBB-8が登場し、ルークの失踪と共に相棒のR2がスリープモードに入ったこともあり、掛け合いをする相手がいなくなったこともあるのだろう。レイやフィンが冒険を繰り広げているときも、レイアのそばで留守番をする日々が続いていた。
だが、今回のC-3POは違う。ポーやフィンと一緒にミレニアム・ファルコンに乗って、久々に冒険の旅に出る。ところどころで心配性な性格を発揮し、言わなくてもいい発言で観客を笑わせてくれるのだ。ピンチに巻き込まれるC-3POを見ていると、かつての『スター・ウォーズ』の雰囲気が甦ってくる。監督のJ・J・エイブラムズと共に『スカイウォーカーの夜明け』の脚本を手掛けたクリス・テリオは、来日会見で「C-3POこそが『スター・ウォーズ』のハートなんだ」と熱く語っていた。
そのうえ今回のC-3POは、600万以上の言語に精通した通訳機能を発揮して、レジスタンスにとって重要な意味を持つ、ある情報を手に入れるのだ。しかもそのために、重大な自己犠牲を払わなくてはならなくなる。お笑い担当だったC-3POに、泣かされる日がやって来ようとは。今回の彼の活躍を、しっかり見届けずにはいられない。(平沢薫)