『卒業』の脚本家バック・ヘンリーさんが死去
映画『卒業』の脚本家バック・ヘンリーさんが1月8日(現地時間)、心臓発作を起こしてロサンゼルスの病院で亡くなった。89歳だった。ニューヨーク・タイムズ紙ほか複数メディアが報じている。
バックさんは1930年、ニューヨークのユダヤ人家庭に生まれた。母親はモノクロ版『紳士は金髪がお好き』の女優ルース・テイラーさんで、その影響もあってか、15歳の時にブロードウェイ作品「Life With Father」でプロの俳優としてデビュー。その後、ニューハンプシャー州のダートマス大学で英文学を学び卒業。朝鮮戦争の時に軍隊に入るが、戦争自体には参加せず、西ドイツでヘリコプターのメカニックや、軍隊が行う舞台劇の脚本家や監督を務めた。
軍隊の経験を経て、即興コメディーグループ、プレミスで活躍した後、テレビ業界で仕事をし始める。メル・ブルックスと共にクリエイターとして手掛けたテレビシリーズ「それ行けスマート」(1965~1970年)で頭角を現し、『卒業』ではカルダー・ウィリンガムと共同で脚本を執筆し、アカデミー賞にノミネートされる。その他に『イルカの日』、『誘う女』などの脚本を執筆し、俳優としても『キャッチ22』や『地球に落ちてきた男』などを含め、40作品以上に出演。『天国から来たチャンピオン』では監督まで務めた。1970年代後半から80年代にかけては、「サタデー・ナイト・ライブ」がまだ初期の頃に、10回同番組で司会を務めたこともあった。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)