エースのジョー・宍戸錠さん死去 86歳 日活黄金期支えたスター
21日、日活のアクションスターとして黄金期を支え、“エースのジョー”の名でも愛された俳優の宍戸錠さんが、86歳で亡くなったことを各メディアが報じた。
宍戸さんは1933年12月6日生まれで大阪府出身。1954年に日活ニューフェイス第1期生として入社し、1955年に『警察日記』の若き警官役で映画デビュー。正統派美男子のイメージを豊頬手術で変え、小林旭さんの『ギターを持った渡り鳥』(1959)、赤木圭一郎さんの『拳銃無頼帖 抜き射ちの竜』(1960)からはじまる人気シリーズなど、日活アクション路線において、タフでアクの強い敵役を確立した。
1961年からの『ろくでなし稼業』シリーズや西部劇スタイルの『早射ち野郎』(1961)など主演作もヒットし、1年で10本以上の映画に出演するなど精力的に活動。鈴木清順監督と組んだ『肉体の門』(1964)や『殺しの烙印』(1967)などは、そのアート性も高く評価されている。テレビドラマでも活躍し、バラエティーにも出演。グルメ番組「くいしん坊!万才」でレポーターを務めるなど、お茶の間でも親しまれた。
豊頬手術で入れた異物は2001年に摘出。2006年には虚血性心不全と診断され、冠状動脈カテーテル・バルーン手術を受けた。2010年に妻で執筆家の宍戸游子さんと死別し、2013年には、半世紀近く暮らした世田谷区の自宅が全焼する出来事もあった。(編集部・入倉功一)