『カメ止め』濱津隆之、リッチな暮らしに興味ナシ 食もB級好み
テレビ東京ほか放送の1月クール深夜ドラマ「絶メシロード」(1月24日スタート、毎週金曜0時52分~1時23分放送)で主演を務める濱津隆之が、自身の食生活や2018年の大ヒット映画『カメラを止めるな!』後も変わらぬ価値観について語った。私生活では基本的に趣味も欲もないと言い「強いて言えば音楽を聴くことぐらいでしょうか。CDやレコードはよく買っていますけど、いわゆるリッチな暮らしには興味がないですし、大きいマンションに住みたいとかおしゃれな服を着たいとかいうこともないですね」と話す。
低予算のインディーズ映画ながら興行収入31億円を突破する大ヒットを記録した『カメラを止めるな!』で、プロデューサーとキャストの板挟みにあう映画監督にふんした濱津は、その強烈な存在感で一躍知名度がアップ。その後、TBS日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」(2019・7月クール)や映画『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』(2019※声優)などドラマや映画出演が続き、「絶メシロード」は初の地上波連続ドラマ主演となる。本作で濱津は、絶滅してしまいそうな絶品メシを求め、週末に一泊二日の旅に出る中年サラリーマン・須田民生を演じる。
2年前に群馬県高崎市からスタートした、時代の流れと共に消えゆく古い個人飲食店にもう一度光を当てる地域創生プロジェクトから生まれた本作。ドラマでは全国各地の隠れた味わい深い名店が登場する。濱津自身は食に関してこだわりはないものの、高級レストランよりも味のある店、B級グルメを好むという。「グルメではありませんが、その時に食べたいものを食べるというのは心がけるようにしていて。何を食べたいのか、『今はラーメンだな』『米の気分じゃないな』などと胃袋に聞いて、決まったら出先でお店を探すという感じでしょうか。チェーン店にも行きますし、あとは店構えから面白そうなお店を選びます」
ドラマでは、濱津演じる民生のモノローグ=食レポも見どころとなるが、食を楽しむ一方でモノローグには試行錯誤した。「食べる演技がある日は食を抜いて撮影に臨むようにしていました。撮影中もカメラを意識することなく意外と本気で食べていましたね(笑)。ただ、食べている間にモノローグがあって、頭の中で何となく流しながら、それに合った食べ方をするというのは難しかったですね。頭の中で独り言を言うときって、普段とは違うテンションになっていたりするのですが、監督からは『もっと普通で』と」
共演者には酒井若菜(民生の妻)、青春高校3年C組の西村瑠香(民生の娘)、長村航希、野間口徹らが名を連ねているが、とりわけ民生が旅先で出会う車中泊マスター・鏑木勉を演じる山本耕史から「人としても役者としてもすごかった」と刺激を受けたようだ。「多分、脚本家をはじめ皆さん、誰もあんなキャラクターになるとは予想していなかったんじゃないでしょうか。瞬発力、アドリブもすごくて、例えば民生と鏑木の出会いのシーンでは、鏑木のセリフは『サーフィンしにきました』の一行だったんですけど、ぶっ飛んだアイデアを出されていて。面白かったですね」
本作での主演が決まった時の心境を「本当ですか? とびっくりしました。主演をやることはないだろうとも思っていたので」と振り返る濱津。『カメ止め』でブレイク後、オーディションではなく直接出演オファーが舞い込むようになった。しかし、ブレイクしたからといって劇的な変化はなく、「不安とか恐怖はそれ以前からずっとありますから。今までにない注目、認知のされ方をしても動じるようなことはないですね」といたって冷静だ。
大学卒業後、お笑い芸人、DJ、そして俳優と紆余曲折を経て今に至る濱津だが、今もなお俳優を「天職」と考えることはないという。それでも「やりたいことをやれている、楽しいという感覚はあります」と充実した表情を見せていた。(編集部・石井百合子)