貧乏から抜け出すのは無理!格差社会を映画で学ぶ『21世紀の資本』予告編
フランスの経済学者トマ・ピケティの経済学書を著者自身の監修で映像化したドキュメンタリー映画『21世紀の資本』から、仕組まれた格差社会に警鐘を鳴らすパワーワードが並ぶ予告編が公開された。
日本でも2014年に出版された原作「21世紀の資本」(みすず書房)は、ピケティ自身が収集した膨大なデータに基づき、増幅を続ける所得格差の根底にある仕組みについて論じた書籍。「史上最も重要な経済学書」として世界中から称賛を浴びる一方、700ページ以上のボリュームから完読が難しいことでも知られ、著者のピケティ自身が監修から出演までこなし、著名な経済学者たちと共に、難しい数式などは一切使わずに、本で実証した理論を映像で表現した。
予告編は、冒頭から「お金」「格差」「権力」「貧困」という現代を象徴するワードが連発。著者のピケティ自身が「21世紀は恐ろしい時代に突入する。それは歴史が証明している」と断言し、貴族制、第2次世界大戦、レーガン元大統領の有名なフレーズ「アメリカを再び偉大に!」など、過去300年にわたるフッテージと共に、金持ちが支配してきた時代を振り返る。
さらに、識者たちからも「人々は貧乏を抜け出したいがどうしようもできない」「先進国では人口の3分の2が両親より貧乏になるでしょう」などショッキングな分析が連発。富裕層によって仕組まれた世界で、人々は“不平等はしかたがない”と諦めるしかないのか。映画は「どの未来を進むか私たちは選択しないといけない」と解決策を提示していることを予感させる。本作についてジャーナリストの池上彰は「いくら働いても豊かになれない秘密を映画は教えてくれる。そして、解決策も提示している」とコメントを寄せている。
また、本作の音楽を担当するのはフランスのエレクトロポップ・デュオ、AIR (エール)のジャン=ブノワ・ダンケル。なぜ貧富の差が広がっているのかを学びながら、映画を軽やかに彩る音楽にも注目だ。(編集部・入倉功一)
映画『21 世紀の資本』は3月20日(金)より新宿シネマカリテほか全国順次公開