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麒麟がくる「初回はエピソードゼロ」 第二回の見どころ制作統括語る

第二回「道三の罠(わな)」より
第二回「道三の罠(わな)」より - (C)NHK

 長谷川博己主演の大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK総合・毎週日曜20時~ほか)の制作統括・落合将が囲み取材に応じ、初回の反響や第二回の見どころを語った。落合いわく、初回はいわゆる「エピソードゼロ」な位置づけにあり、「第一回が前編で第二回が後編」といった構成になっているという。

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 織田信長の盟友となり後に「本能寺の変」で信長を討つ明智光秀の、謎めいた前半生に焦点を当てた本作。第一回「光秀、西へ」では、美濃(岐阜南部)への度重なる野盗の襲撃に頭を悩ませた光秀(長谷川)が、その打開策として敵が手にしていた鉄砲を入手するために堺、そして京に旅する姿が描かれた。初回の反響について、落合はこう語る。

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 「戦国時代といえば合戦シーンと言われる中で、皆さん『あれ?』と思われたかもしれせんが、第一回は普通の青年が旅をしていくだけの話なんです。冒頭で戦いのシーンが引き付けとして仕掛けられてはいますけど、その後はあまり戦わない。最後も(敵が)攻め込んできた、終わりという(笑)。『戦うシーン、冒頭だけじゃん!』って。ある意味、地味ですしエピソードゼロ的な話になるのですが、視聴者の方々にとても深く入って観ていただけたのが意外でしたし、うれしかったです。普通だと『本能寺の変』から始まって、子役が登場して、大体50分ぐらいのところで合戦シーンが入るというふうに想像すると思うんですけど、(脚本家の)池端(俊策)先生は第一回ではことごとく裏切って光秀への感情移入を優先させたんです」

麒麟がくる
光秀は、医者の望月東庵(堺正章)、助手の駒(門脇麦)と共に京から美濃に戻るが……

 初回ではシリアスと笑いのバランスも好評で、堺では光秀が松永久秀(吉田鋼太郎)と酒を酌み交わす中で斎藤道三(本木雅弘)の愚痴を言ったりとクスリとさせる場面があった。そんな軽妙さについて、「それは池端先生ならではですよね」と落合。「光秀が酔っぱらうシーンなどは演出の大原(拓)が増幅させていますけど、ベースは池端先生が組んでいる。第三回はがらりと牧歌的ですからね。そういうバランス感覚を培われてきている池端先生の掌の上で、我々はそれをよりいいものにしていく。ディテールについて、我々が『ここでゆるいシーンを入れましょう』などと口を出していくのは、あまり正しい脚本づくりではないですよね」

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 第二回の「道三の罠」の見どころは、「ある種のプロローグの合戦シーン」だという落合。昨年10月に茨城県にオープンセットを組んで敵味方50VS50ほどのエキストラを交えて行った。「関ヶ原より50年前の戦いなんですよね。だから少し原始的、牧歌的でもある。この頃は本当に日常として戦いがあって。例えばハリウッド映画などではものすごく密度の濃い戦闘がエンターテインメントとして行われるんですけど、本当の戦争はもっと緩やかなもので、半年ぐらい続くこともある。人間は24時間戦えるほど鋼鉄ではないので、2時間も攻めたら疲れるもの。そんな、いわゆる戦国幕開け時の戦いというのが、新鮮に感じていただけるかもしれせん」

 初回で光秀が野盗と戦うなかで「一体、何回戦えばいいんだ」といった言葉を口にしていたが、第二回ではそれが跳ね返ってくることになる。「殺さなければ殺されるわけですけど、それが武士の誇りというものなのかと。光秀の『ずっと戦っていなかければならない、俺の人生は何なんだ』という哀しみ、絶望のようなものを感じていただけたら」と話す。

麒麟がくる
堺で入手した鉄砲を道三に届ける光秀

 そして、もう一つの見どころが斎藤道三、本領発揮のシーン。「道三というと禿げ頭の入道、成り上がりといったイメージですが、勇猛果敢で戦闘が得意な、若き利政の時代を再現していただいている感じがします。“悪もっくん”のすごさですよね」

 第二回では、美濃の侵略をもくろむ尾張の織田信秀(高橋克典)の大軍を相手に、籠城を決め込んだ道三の作戦が描かれる。(取材・文:編集部・石井百合子)

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