宇垣美里、セクハラ問題で葛藤する女性に「共感しかない」
フリーアナウンサーの宇垣美里と社会学者の古市憲寿が14日、都内で行われた映画『スキャンダル』公開記念イベントに登壇。「ハラスメント」を扱った本作について、それぞれが持論を語りつくした。
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本作は、アメリカのテレビ局FOXニュースを吹き飛ばした衝撃のスキャンダルをもとに、巨大権力に立ち向かった3人のキャスターたちの華麗なる戦いと逆転劇を描いた話題作。シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーらが共演しており、第92回アカデミー賞ではメイクアップアーティストのカズ・ヒロ(旧:辻一弘)がメイク・ヘアスタイリング賞を受賞した。
鑑賞した宇垣は「最近のアメリカで実際に起きた出来事であること、それを映画にできることに驚かされました」と目を丸くしつつ、「描かれているセクハラは醜悪だけど、どこか見覚えがあって、現実を諦めてしまう気持ちにもなるし、葛藤する女性たちに共感しかなく、わたしも頑張らなければいけないという気持ちになりました」と感想を語った。
アメリカと日本のキャスターの違いについて、「日本のアナウンサーは凡庸というか、強すぎない、派手すぎない、セクシー過ぎないなど主張しすぎないことを求められていると思います」と見解を示すと、「ニュースを伝えるにあたってはノイズにならないことが一番大事だと思って働いていました」と局アナ時代を振り返った。
古市は「パワハラはどこにでもある」と指摘すると、「東大でジェンダーを研究している専門家のはずがセクハラをやっているのを見聞きしたことがあるし、テレビ局でも困っている女性アナウンサーの話を聞いたことがあります」と告白。「日本では、この映画を観てショックを受けない、よくあることだよねと思う人が多い気がします」と危惧する場面もあった。
ハラスメントをなくすためには「権力のある人間が、自分より弱い立場の人も同じ人間であることを再確認できるかが大事」であると同時に、「世間一般が(間違いに対して)『ノー』を突きつけること」が大切であると話す宇垣。古市は「基本的には当事者の問題」とし、「部外者がどうこう言う権利があるのかな? 報復のように過剰に正義を訴える誰かが『これはいけない!』と糾弾しつくすことはバランスを欠いている」と述べ、ハラスメント問題は「バックラッシュが起こりやすい」と大本に付随する問題も投げかけていた。(取材:錦怜那)
映画『スキャンダル』は2月21日より全国公開