「コナン」12年前、沖矢昴初登場の裏側!高山みなみ&置鮎龍太郎が明かす
国民的アニメ「名探偵コナン」のテレビシリーズの中から、人気キャラクターの赤井秀一と、彼の世を忍ぶ仮の姿である沖矢昴が活躍するエピソードを中心にセレクトした特別上映会「緋色の記憶~スカーレット・メモリー~」が15日に池袋HUMAXシネマズで行われ、上映後のトークショーに声優の高山みなみ、置鮎龍太郎が来場した。
黒ずくめの組織を追うFBI捜査官の赤井秀一および赤井一家(ファミリー)がキーパーソンとなる劇場版最新作『名探偵コナン 緋色の弾丸』が4月17日に公開されることを記念して行われたこの上映会。人気声優の置鮎が、沖矢昴役としてイベントに登壇するのはこの日が初のこととなった。
沖矢がアニメに初めて登場したのは、2008年に放送された第509話「赤白黄色と探偵団」のこと。当時、置鮎は沖矢の正体を告げられていなかったそうで、「ゲストキャラのひとり」だと思っていたという。だが、高山には予感めいたものがあり、「その時は自分も正解を知らなかったけど、この役はたぶん赤井さんだと思う」と置鮎にも告げていたという。そしてその言葉を聞いた置鮎はディレクターにその真相を尋ねたというが、ディレクターは「気にしなくていいです」とキッパリ。赤井秀一役の声優・池田秀一のことも「気にせずに」と言われていたという。そうした経緯もあり、沖矢を演じることには苦労があったそうで、置鮎は「どこまで赤井秀一を意識したらいいのか。今回、沖矢昴の登場エピソードを改めて観たのですが、(登場する)間隔があるせいか、演じ方がかなりバラバラで……当時は相当混乱していたんだろうなと思いました」と振り返る。
「とはいえ、(池田秀一とは)似るわけがないですから」と笑ってみせた置鮎だが、「似ているかどうかはともかく、それらしいところは匂わせた方がいいのかなと思っていました。だから正体がバレてからは、含みを持たせることを意識して演じたりもしました」と述懐。その言葉を受けた高山は「わたしは似ていると思った」と感心していた。
沖矢の正体が明かされたのが、2014年の映画『名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)』のクライマックスでのこと。FBIと連絡をとっていた沖矢が変声機を切り、「了解」と返した声が、赤井秀一の声(CV:池田秀一)に変わったことで、沖矢の正体が赤井であることが明らかになった。観客に衝撃を与えた名セリフについて置鮎は「あの『了解』はずるい! 全部持っていっちゃった! 嘘でしょと思いましたよ。自分も関わっていたにもかかわらずゾワッときましたからね」と興奮気味にコメント。「演出をどうするかという時、ここは(赤井と沖矢)両方の声で言った方がいいですかと聞きましたが、(ディレクターからは)『一切いりません』と言われ、『そうですか。残念です』と……。全部持っていってしまうあの感じは本当にずるいですよね」と裏側を明かし、会場を盛り上げた。
そんな沖矢について、置鮎が「僕と(毛利蘭役の)山崎和佳奈さんしかこの説を信じていないんですが、沖矢には絶対にモデルがいると思うんです。あの姿をした別人がきっといるんだろうなと。それは両親が知っている誰かかもしれないし、赤井さんが知っている誰かかもしれない」と切り出すと、高山は「おじいちゃんだ。若かりし頃のお母さんのお父さんとかね」と新説を提唱。さらに司会者が「もしかしたら(新一の母の工藤)有希子さんの理想かも」と続けると、高山が「赤井さんをイケメンだと言っていますからね。きっと沖矢さんもイケメンに仕立てたかったんじゃないですかね」とコメント。置鮎も「いろんなパーツを組み合わせて。モンタージュ的に出来た顔かもしれませんね」と付け加え、さまざまに想像をふくらませていた。
いよいよ公開が間近に迫ってきた劇場版最新作『名探偵コナン 緋色の弾丸』については、高山は「まだ台本もなくて、話を全然知らないんですよ」と現状を説明。置鮎も「沖矢が満を持して登場というところもありますが、赤井ファミリー集結とありますし、どうなんですかね」と楽しみにしている様子だった。そして、これから流れる予告編の声を収録したところだという高山は、「これはすごいですよ。めちゃくちゃ観たくなります。録っている自分たちでも『観たい!』と言っていましたからね。池田さんが楽しそうに収録に来ているので、『了解』は超えるでしょうね。劇場に行くときは覚悟してください!」と観客の期待をあおると、客席からは楽しみで仕方ないといった様子のざわめきが響いた。(取材・文:壬生智裕)