模範的市民がなぜ…?実業家殺害の衝撃的真相描く『コリーニ事件』6月公開
ドイツで刑事事件弁護士として活躍している、フェルディナント・フォン・シーラッハの同名ベストセラー小説を映画化し、2019年の上半期ドイツ映画No.1ヒットとなった『コリーニ事件』が、6月12日より公開されることが決定。併せて予告編が公開された。30年以上にわたってドイツで模範的な市民として働いてきた67歳のイタリア人コリーニが経済界の大物実業家を殺害した事件を巡るサスペンスで、予告編には被告側の弁護士の視点を通し、戦後ドイツが隠蔽してきた真実が浮かび上がっていく様子が収められている。
原作者のシーラッハは、自身で取り扱った事件をベースにした社会派ミステリーを多く執筆し、初の長編となる「コリーニ事件」は40か国以上で翻訳され、累計500万部を超えるベストセラーに。作中で語られた法律の落とし穴がきっかけとなり、出版後の2012年にはドイツ連邦法務省が省内に調査委員会を立ち上げた。
主人公は、「コリーニ事件」の国選弁護人に任命された新米弁護士のカスパー・ライネン。ライネンにとってこれが被告側弁護士として初めて手掛ける大きな事件だが、被害者は少年時代からの恩人。コリーニが殺害について口を閉ざすなか、事件を調べるうちに自身の過去、ドイツの司法にまつわるスキャンダル、意外な真実が浮かび上がってくる。
主人公ライネンを演じるのは、『ピエロがお前を嘲笑う』『はじめてのおもてなし』などのエリアス・ムバレク。被告人コリーニにふんするのは『続・荒野の用心棒』などマカロニ・ウェスタンで活躍し、近年ではクエンティン・タランティーノ監督『ジャンゴ 繋がれざる者』や、『ジョン・ウィック:チャプター2』などでも知られる名優フランコ・ネロ。『クラバート闇の魔法学校』のマルコ・クロイツパイントナーがメガホンをとった。
予告編ではライネンがコリーニが殺人を犯した動機を追求する中、凶器となったワルサーP38やナチスのシンボルであるハーケンクロイツが映し出され、事件が第二次世界大戦と関わっていることをほのめかす。(編集部・石井百合子)
映画『コリーニ事件』は6月12日、新宿武蔵野館ほか全国公開