佐藤健『るろうに剣心』役づくりの裏に“雪代巴”の存在
実写映画『るろうに剣心』シリーズの最終章で、有村架純が主人公・緋村剣心の妻だった女性・雪代巴(ゆきしろ・ともえ)を演じることが発表され、主演の佐藤健がコメントを寄せた。
最終章は先日、新田真剣佑が演じることが発表されたシリーズ最恐の敵・雪代縁(えにし)との戦いを描く『るろうに剣心 最終章 The Final』(7月3日公開)と、剣心の頬に刻まれた十字傷の謎に迫る『るろうに剣心 最終章 The Beginning』(8月7日公開)の2作。巴は十字傷の謎の鍵を握る人物で、剣心の過去を語るにおいてなくてはならない存在だ。
2012年に公開された第1作から剣心を演じてきた佐藤は「剣心の頬の十字傷は悲しみの象徴であり、この傷が残り続ける限り、剣心は悲しいんです。巴との出会いを経て、その十字傷に殺さずを誓った剣心は、市井の人々の平和を守るため流浪の旅を始めます。これまでのるろうに剣心シリーズ三作は、そのような過去を経て流浪人になった剣心の、新たな冒険の物語でした。つまり、それら全てを演じた僕の中には、雪代巴という一人の女性が内包されていました」と剣心を演じる上でも、いかに巴が大きな存在であったかを明かす。
「パート1の撮影初日、鳥羽伏見の戦いで新時代の来訪を悟った時、志々雄真実が目の前で自らの愛する女性を斬殺した時、僕は剣心としての自分を見つめ直そうとする度に、巴を想い、深呼吸をして本番に臨みました。The Beginning の撮影初日、僕の中に七年間内包されていたものが、突如実体を持って目の前に現れました。巴として初めてお会いするはずの有村さんに、どうしようもない懐かしさを感じました。それからの撮影の日々は、辛く悲しくありながらも夢のようで、今思い返しても、あんなにも美しく、そして儚い時間を過ごした経験はありません」
また、剣心と同じく、巴に深い愛情を持つ男・雪代縁を演じた新田との共演については「The Final のクライマックスで縁との決闘を終え、彼と向き合い新田さんの目を見た時に、僕はこのるろうに剣心という物語の終幕を受け入れることができました」と述懐。最後は「このシリーズに自分の全てを捧げることができたと思っています。無事にこの映画が完成し、公開されることを願うと共に、支えてくださった全ての皆様、共に闘った仲間達に心から感謝します」と思いを込めた。(編集部・中山雄一朗)