『E.T』撮影監督、新型コロナで死去
映画『E.T.』『カラーパープル』『バグジー』など5度のアカデミー賞ノミネートを誇る撮影監督のアレン・ダヴィオーさんが現地時間15日、新型コロナウイルスによる合併症で亡くなった。77歳だった。アレンさんが暮らしていた、ロサンゼルス・ウッドランドヒルズにあるモーションピクチャー&テレビジョン基金の介護施設が公表した。
アレンさんは約1週間前に新型コロナに感染していると診断され、基礎疾患があるため近くの病院で治療を受けていた。しかし症状は悪くなる一方で、回復の可能性がなくなったため、アレンさんの希望通り2012年から暮らしてきた施設に戻り、そこで亡くなったという。同施設の住人の新型コロナによる死者は、俳優のアレン・ガーフィールドさん、ディズニーアニメーターのアン・サリヴァンさんらに次いで、これで4人目となった。
1942年6月14日にニューオリンズで生まれ、ロサンゼルスで育ったアレンさん。ザ・フーやジミ・ヘンドリックスの初期のミュージックビデオの撮影をしていたが、1967年に巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督と出会うことに。映画への愛を共有した二人は、スピルバーグ監督が後にユニバーサルと契約するきっかけとなった短編作品『Amblin'』を共に手掛けることになった。
その後、スピルバーグ監督とアレンさんは『E.T.』『カラーパープル』『太陽の帝国』、そして『トワイライトゾーン/超次元の体験』やドラマ「世にも不思議なアメージング・ストーリー」のエピソードでもタッグを組み、アレンさんは『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(メインの撮影監督はダグラス・スローカム)にも参加している。『レインマン』のバリー・レヴィンソン監督と組んだ『わが心のボルチモア』と『バグジー』でも高い評価を受けた。
そのほかアレンさんが撮影監督を務めた映画には、ヒュー・ジャックマン主演の『ヴァン・ヘルシング』、スティーヴン・キング原作の『アトランティスのこころ』、ジョニー・デップ主演の『ノイズ』などもある。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki、編集部・市川遥)