007新作“実は全部ボンドの頭の中で起きてた”案があった
シリーズ最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のキャリー・フクナガ監督が、同作を“全てジェームズ・ボンドの頭の中で起きていた”物語にしようと考えたこともあったと、パフォーマンスアーティストで映画監督でもあるミランダ・ジュライとの Interview Magazine での対談で明かした。(以下、前作『007 スペクター』の内容に触れています)
【動画】日本的な要素もチラリ『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』予告編
予告編の内容から、本作はスピリチュアルな領域に入っていくのではないかと予想したジュライに、フクナガ監督は「これは本当のことなのだが、僕は、この映画の全ては“前作の悪役の隠れ家で起きている”という風にしようと考えたことがあった」と打ち明ける。「前作には悪役がジェームズ・ボンドの記憶を消そうと、彼の頭に針を刺すシーンがある。奇跡的に時計爆弾を使ってレア(ボンドガール・マドレーヌ役のレア・セドゥ)と逃げ出し、危機を乗り切ったわけだけど、『(新作の)第二幕の終わりまでの全てが、彼の頭の中で起きるというのはどうだろう?』と考えたんだ」
つまり、『スペクター』の第三幕と『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の第二幕まで全てが頭に針を刺されたボンドの夢で、宿敵ブロフェルド(クリストフ・ヴァルツ)からも逃げられていないという設定だ。結局採用されることはなかったものの、かなり興味深いアイデアと言えるのではないだろうか。
『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド引退作。新型コロナウイルス感染拡大を受けて、世界公開が4月から11月に延期されている(日本公開は11月20日)。マドレーヌ役のレア、ブロフェルド役のクリストフらおなじみのメンバーに加え、『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレックが新たな敵として登場する。(編集部・市川遥)