麒麟がくる“本木道三”の神がかり的シーン話題
3日に放送された大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK総合・毎週日曜20時~ほか)第十六回で、戦を止めに来た家臣・明智光秀(長谷川博己)と斎藤道三(本木雅弘)の対面シーンの演出が神がかり的と話題になっている(※一部ネタバレあり)。
第十六回「大きな国」では、家督を譲った直後に“ダークサイド”に堕ちた息子・高政(伊藤英明)を討つ決心をした道三、幼なじみである高政と主君である道三のどちらの味方に付くのか、決断を迫られる光秀の葛藤などが描かれた。
何としてでも戦を止めたい光秀は道三の娘・帰蝶(川口春奈)の元へ赴き、道三の戦に肩入れしないでほしいこと、その代わりに織田との同盟を破棄しようとする高政を思いとどまらせてみせると訴える。一方、隣室で話を聞いていた織田信長(染谷将太)は今は城を離れるわけにいかず、道三に加勢するのは困難であると帰蝶に告げる。
美濃の国を二分するこの戦は、兵の数では圧倒的に道三が不利であり、現実主義である道三がなぜ勝てない戦に出るのか、大きな謎が持ち上がった。道三が登場したのはラストでのこと。戦を止めに来た光秀に対し、高政に家督を譲った真意や苦渋の決断に至った思いを明かした。
このシーンでは本木が「人の上に立つ者は正直でなくてはならぬ。偽りを申す者は必ず人を欺き、そして国を欺く。決して国は穏やかにならぬ」といった長ゼリフを披露。そんな本木の凄み漂う演技、まるで道三に後光がさしているかのように見える演出が「神々しい」「見入ってしまった」「すごい迫力」「泣いた」と話題沸騰となっている。
放送後、演出の一色隆司が本シーンの意図について公式Twitterで以下のようにコメントしていた。「大桑城で道三が光秀と対面するシーンでは、道三の心情に合わせてメイクを変えたほか、道三のエネルギーの高まりに合わせて、日が昇っていく様を照明で表現しています。演者だけでなく、メイク、照明などのスタッフが一丸となって作り上げました」
一方、本木は「道三、62歳。還暦を過ぎていますが、監督から『いくつになっても生気みなぎる道三でいてほしい』と言われました。たとえ息子でも、隙あらば襲いかかっていく父親。家督を息子に譲り、剃髪(ていはつ)もしましたが、まだまだ一筋縄ではいきませんよ」と老いてなお盛んな道三像について語っている。
次回「長良川の対決」では、いよいよ道三VS高政の親子が対決の時を迎える。(編集部・石井百合子)