「麒麟がくる」道三ロス相次ぐ 父子の“抱擁”に涙の感想
10日放送の大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK総合・毎週日曜20時~ほか)第十七回で、明智光秀(長谷川博己)の主君・斎藤道三(本木雅弘)と嫡男・高政(伊藤英明)の親子対決が描かれ、放送後「涙が止まらない」と道三ロスの声が相次いでいる(※ネタバレあり。第十七回の詳細に触れています)。
第十七回「長良川の対決」では道三が、家督を譲った直後に謀反を起こした嫡男・高政を討つべく長良川を挟んだ戦いへ。娘の帰蝶(川口春奈)は兵の数で劣っていた道三を逃がそうと計画していたが道三はこれを退け、高政と真っ向勝負。帰蝶の夫・織田信長(染谷将太)、そして光秀も道三の側につき駆けつけようとするが……。
長良川の戦いでは、大軍を率いる高政に頭巾を捨て単身立ち向かう道三の勇姿が。「おまえの父は誰だ」と息子に問い続ける道三と、高政の愛憎、すれ違い。道三が瀕死の状態で高政に歩み寄り、倒れ込む姿は抱擁のようにも見え、ネット上では「美しい最期」「神回」「道三ロスです」といった感想でにぎわっている。
道三演じる本木はドラマのTwitterで本シーンに「高政にぶつかるように倒れ込み、道三は最期を迎えました。その姿は、もしかすると最初で最後の、父と子の抱擁に見えたかもしれません」とコメント。「みなさんには、どう映ったでしょうか? 道三は散りましたが、これからは光秀、高政、信長の心の中で生き続けるはずです」と視聴者に呼び掛けている。
計算高く、恐ろしくも誇り高き主君・道三に「どちらかというと嫌い」「ケチ」とブツブツ愚痴をはきながらも忠実に仕えてきた光秀。“親殺し”のタブーをおかした高政に対して、道三にあって高政にないものを語り、道三への畏敬の念を改めて示す場面もあった。演じる長谷川は、光秀にとって道三とはどのような存在なのか、以下のように語っている。「光秀に進むべき道筋を示した道三の存在は大きいものであったに違いありません。彼の老獪さ、泥臭さ、そしていかなる時も誇りを忘れないということ。もしかしたら亡き父の幻影を見ていたのかもしれません。今後の光秀に影響していくでしょう、『大きな国』を作るために」
道三の亡き後、明智家は高政の軍に追われる身となり、光秀、叔父・光安(西村まさ彦)、母・牧(石川さゆり)らは苦渋の決断を強いられることに。優柔不断で頼りなかった光安が、光秀に明智家の未来を託す場面では、哀しみや怒り、さまざまな激情が渦巻く西村の迫真の演技が光っていた。(編集部・石井百合子)