綾野剛と舘ひろし、ヤクザ役で初共演 『新聞記者』監督&スタッフの新作
綾野剛と舘ひろしがヤクザ役で初共演する新作映画『ヤクザと家族 The Family』が、2021年に公開される。監督・脚本は『新聞記者』の藤井道人。
日本アカデミー賞最優秀作品賞!藤井道人監督作『新聞記者』予告編【動画】
『ヤクザと家族 The Family』は、第43回日本アカデミー賞で作品賞など主要3部門の最優秀賞を受賞した『新聞記者』の制作スタッフが再集結した新作。テーマは「ヤクザ」で、製作・配給会社スターサンズの河村光庸プロデューサーが企画、藤井監督自身がオリジナル脚本を手掛けた。
物語は、1999年、2005年、2019年の3つの時代で展開。ヤクザという生き方を選んだ男とその家族、ファミリーを見つめるヒューマンストーリー。初のヤクザ役に挑戦する綾野がふんするのは、自暴自棄になっていた少年期にヤクザの世界へ足を踏み入れた男・山本賢治。ヤクザの世界で“男をあげていく”が、移り変わる社会の中で「組織=ファミリー」と「愛する家族」の間で揺れ動く男の半生を演じる。
映画『地獄の天使 紅い爆音』(1977)以来、43年ぶりとなるヤクザ役に挑む舘は、身寄りのない孤独な少年・山本に手を差し伸べ、“家族”という居場所を与えた柴咲組組長・柴咲博を演じる。撮影は2019年11月~12月に静岡県沼津市、富士市、裾野市などで行われた。
綾野は「渾身の作品が生まれました」と自信をのぞかせ、舘は初共演となる綾野について「訴えかける目力が素晴らしい」と絶賛。綾野、舘、藤井監督のコメント全文は下記の通り。(編集部・小松芙未)
綾野剛コメント
渾身の作品が生まれました。
現場では今までに感じた事の無い鼓動の連続で、毎日が走馬灯のようでした。
果てしなく目を背けたくなるような残酷さと、その体温を永遠と抱きしめ続けたくなるような心地よさ。
これが“家族”なのかと。
母、親父、兄弟、愛した女。過去から現在、人権と時代。そしてこれからの未来を生き抜く子供たち。
私達、藤井組は、その全てをひとつの映画に込めました。
幾度もの難関にも映画は私達を見放さず、見つめ続け、救ってくれた。映画は私達にとって最後の“家族”です。
スタッフ、キャスト、家族のみんなで乗り越え導き出した愛の結晶。それが『ヤクザと家族 The Family』です。
どうか、どうか。家族を大切に。
舘ひろしコメント
「ヤクザ」という題材で家族の愛を描いた作品(脚本)に、大変興味を持ちました。
藤井監督は感情表現を繊細に演出し、俳優スタッフが一つとなり、丁寧に作品を作り上げていきます。
その姿勢に感銘を受けました。
綾野剛さんは、訴えかける目力が素晴らしい。いつも作品のこと、役柄を深く考えており、役の中をリアルに生きている、そんな俳優さんだと思います。とても刺激をもらいました。『ヤクザと家族 The Family』どうぞ、ご期待ください。
藤井道人監督コメント
『新聞記者』の撮影が終わり、河村プロデューサーと僕が次に選んだ題材は「新しいヤクザ映画」でした。前作同様、難産ではありましたが、変わりゆく時代の中で排除されていく「ヤクザ」という存在を、抗争という目線からではなく、家族の目線から描いた作品です。綾野剛という唯一無二の俳優とこの作品を一緒に作れたこと、
舘ひろしさんをはじめとする素晴らしいキャスト、スタッフと「ヤクザと家族」という映画を作り上げたことを誇りに思います。
是非、公開まで楽しみにしていてください。
<キャストの選定について>
河村プロデューサーと話して、主人公の山本という役は綾野剛以外考えられない、という共通の認識でした。20年の役を生きる山本という役は、その時代を象徴するかのように様々な繊細な感情を表現しなければならなかったからです。
綾野さんのストイックな役への姿勢は、本作の脚本の世界を何倍にも広げてくれました。
柴咲組の組長を演じた舘ひろしさんは、僕のリクエストです。かっこよくて、でも愛嬌もある、優しい「父親像」を舘さんに託しました。舘さんには撮影時本当にたくさんのことを教えていただき、僕の監督人生の大きな財産の一つとなりました。