「梨泰院クラス」で話題沸騰!ラブコメの神パク・ソジュンの軌跡
Netflix日本国内の「今日の総合TOP10」でここ最近上位をキープし、話題となっている韓国ドラマ「梨泰院クラス」。同作で主人公パク・セロイを演じ、日本でもファンが急増中の俳優パク・ソジュンに注目する。
韓国でもひと際ホットな街として知られる梨泰院を舞台にした同作。ソジュンが演じた主人公のセロイは、固い意志と正義感を持ち、警察官を目指している青年だ。しかし、ある財閥の親子と出会ってしまったことから彼の運命が狂いだす。高校を中退し、前科者になり、父親や警察官という夢まで失ってしまったセロイが、梨泰院に開店した小さな飲み屋「タンバム」で仲間たちと共に成功をつかもうとする姿を、恋愛や復讐を織り交ぜて描き出している。
数多くのラブコメドラマをヒットさせ、理想の男友達(彼氏)というイメージから“国民の男友達”と親しまれているソジュンだが、本作ではいがぐり頭になり、正統派なイケメンというよりは素朴な印象に変身した。だからといって、セロイがカッコよくないわけではない。普通なら妥協し、諦めざるを得ない状況であっても、自らの信念を貫くセロイの姿は文句なしにカッコよく、胸を熱くさせる。
さらに、セロイは元暴力団員やソシオパス、宿敵の息子といったさまざまなバックグラウンドを持つタンバムのスタッフたちに対してどこまでも誠実で、仲間が差別されるようなことがあれば怒りを露わにする。ソジュンは、そんなセロイの大木のような頼もしい存在感を見事に表現。物語が進むにつれて、キャラクターの魅力を何倍にも膨らませていった。この確かな演技力があるからこそ、彼は若手トップスターに登り詰めることができたのだ。
1988年12月16日生まれ、現在31歳のソジュンが正式にデビューを飾ったのは2011年だった。ボーイズグループB.A.Pの元メンバーで、現在はソロアーティストとして活動している歌手のバン・ヨングクが発表した楽曲「I remember」のミュージックビデオに出演し、芸能界での第一歩を踏み出した。
翌年には芸能高校を舞台にした大ヒット青春学園ドラマの続編「ドリームハイ2」でドラマデビューを果たした。さらに何本かのドラマ出演を重ね、着実にキャリアを積み始めていたソジュンが脚光を浴びるきっかけとなったのは、キャリア女子のヒロインを一途に愛する年下男子ドンハを演じたドラマ「魔女の恋愛」(2014)だ。年下らしい可愛らしさを存分に振りまき、ストレートに愛情を表現するドンハはまさに理想の年下彼氏像! キスシーンでは大人の男の色気も醸し出し、そのギャップで多くの視聴者のハートを奪った。
そして、ファッション誌の副編集長役を務めた「彼女はキレイだった」(2015)では初恋の相手にひたむきな愛を捧げる姿で視聴者の胸をときめかせ、ヒロインの双子の兄を演じた「キルミー・ヒールミー」(2015)ではシリアスからコミカルまで多彩な表情を見せた。続く「サム、マイウェイ ~恋の一発逆転!」(2017)では鈍感男子、「キム秘書はいったい、なぜ?」(2018)ではエリート御曹司を演じ、いずれも大ヒット。“ラブコメ神”として名を馳せ、韓流トップスターとして海外までその名を轟かせることになる。
ドラマではラブコメのイメージが強いが、映画ではサスペンスやアクションにも挑み、一味違った顔を見せているのも興味深い。クライム・サスペンス映画『悪のクロニクル』(2015)は物語の鍵を握る新米刑事役でその“原石ぶり”を示していたし、Sexy Zone の中島健人と King & Prince の平野紫耀のダブル主演でドラマ化されることも決まっている『ミッドナイト・ランナー』(2017)では体当たりのアクションを披露。第54回大鐘賞映画祭新人男優賞、第37回韓国映画評論家協会賞の新人男優賞に輝いた。
また、第92回アカデミー賞で作品賞含む最多4部門を受賞したポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』(2019)では、カメオ出演ながら存在感を放ったことも記憶に新しい。今後は、エクソシズム・アクション映画『ディヴァイン・フューリー/使者』(2019)が8月14日に日本公開を控えている。同作では悪と戦う力に目覚めていく格闘技チャンピオン役に挑戦しているとあり、さらなる変身が期待できそうだ。(編集部・吉田唯)