『私はあなたのニグロではない』緊急再上映!アメリカの人種差別と暗殺の歴史
ミネソタ州在住の黒人男性ジョージ・フロイドさんが警察官に首を押さえつけられて亡くなった事件を発端に、黒人に対する暴力や構造的な人種差別への抗議運動「BlackLivesMatter」がアメリカのみならず世界中で広がりを見せている。この事態を受け、2018年に日本公開したドキュメンタリー映画『私はあなたのニグロではない』の再上映が急きょ決定した。
本作は、アメリカ黒人文学を代表する作家、ジェームズ・ボールドウィン(1924~1987)の著書が原作。黒人が奴隷として扱われていた20世紀初頭から、ボールドウィンの盟友だった公民権運動のリーダー、キング牧師やマルコムXらが登場する1960年代、そして現代に至るまで、終わりなきアメリカの人種差別と暗殺の歴史に迫っていく。
本作は2017年初頭、オバマ大統領に代わりトランプ政権がスタートしたアメリカで大ヒット。第89回アカデミー賞ドキュメンタリー長編賞にノミネートされたほか、第71回英国アカデミー賞最優秀ドキュメンタリー映画賞、第43回セザール賞最優秀ドキュメンタリー映画賞を受賞するなど賞レースを席巻した。
監督のラウル・ペックは、映画で語られる言葉のひとつひとつをボールドウィンの本、エッセイ、インタビュー、講演など彼の発言を用いて構成。証言や豊富な記録映像を交え、強制的に作られた黒人への偏見の歴史、無知や先入観が引き起こす差別の正体を解き明かす。(編集部・石井百合子)
映画『私はあなたのニグロではない』は6月12日~6月25日アップリンク吉祥寺、6月19日~6月25日アップリンク京都、6月26日~愛知・刈谷日劇にて上映