小澤征悦、海外の現場で感じた「作り上げる芝居」の面白さ
特殊武装戦術部隊S.W.A.T.の活躍を描いた海外ドラマ「S.W.A.T.」シーズン3にゲスト出演した俳優の小澤征悦が、初のアジアロケとして実施された東京での撮影や、海外ドラマの撮影現場について語った。
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本作への出演は、数回のオーディションを経て決まったという小澤。「ありがたいことに、今では日本でオファーを頂く事が多いですが、海外ドラマはほとんどがオーディションで決まります。今回も台本が送られてきて、演じたビデオを本国に送りました」と当時を振り返る。実は小澤にとって、このオーディションは初めてではない。「海外のオーディションは、これまで何十回も受けているんです。でも何十回も落ちてきた。最初は落ち込んでいたけど、向こうはイメージが固まっているので、それに合わなかっただけと考えればあまり落ち込まなくなりましたね」。海外の作品で1人の俳優として平等に扱われることが、小澤にとって新鮮だという。
「ゼロに近い地点から芝居が始められること」、それは東京で行われた撮影でも同じだった。撮影の手法などは、日本の現場とは変わらない。俳優や監督と共に、自由にディスカッションしながらシーンを構築していく。「いい役者って、勘が鋭いんです。わからない日本語でも、彼らはニュアンスでわかっていて、リハーサルを重ねるうちに間があってくるんですよね。海外の現場で毎回感じている、目と目で作り上げる芝居の凄さを、今回も経験できたのは嬉しかった」という言葉の通り、撮影前の2、3週間で準備したセリフの言い回しや自分の中で作り上げたキャラクターが、キャストとの芝居によって変わっていく過程を楽しんだ。
本作で小澤が演じたのは、S.W.A.T.チームに協力する警察の情報提供者・サトウ。「サトウは結構な小者感なので、逆にオラオラさせようと早口でセリフを言うようにしたんですが、監督からはもうちょっとテンポダウンした感じでというリクエストをいただいて、ちょっと落ち着いた感じで演じました」と語る小澤は、日本の視聴者と同じように、放送時の反響を楽しみにしているという。「僕の小者感を楽しんでいただけたらと思うと同時に、S.W.A.T.のぶつかり合いや迫力のアクションも堪能してもらいたいですね」
日本ではようやく緊急事態宣言が解除され、中断していた映画やドラマの撮影が徐々に再開されていく。アメリカでも、多くの映画やドラマが撮影中断に追い込まれ、業界全体が危機に追い込まれている。小澤にこの1ヶ月で向き合ったエンターテインメントの存在を聞くと、「映画もドラマも、楽しみにしてくれている人たちがいて、そういう人たちに対してできることをやるというのが、役者としてのスタンス。コロナの状況で世界が沈んでいるからこそ、またエンタメが復活したら祝祭という形で喜びが感じられるはず。それが新たな原動力になっていくと思います」と前向きな答えが返ってきた。
主演のシェマー・ムーアはドラマプロデューサーも兼任しているが、小澤自身ももともと映画監督に興味があったという。いつか小澤が俳優と監督を兼任する作品が見られる日を楽しみにしたい。(取材・文:森田真帆)
ドラマ「S.W.A.T.」シーズン3は、6月26日22時よりスーパー!ドラマTVにて独占日本初放送(小澤がゲスト出演した第13話は、6月21日21時より特別先行放送)