ADVERTISEMENT

朝ドラ「エール」歌声も話題!柴咲コウのマルチな魅力が光る映画7選

Sports Nippon / Getty Images

 NHK連続テレビ小説「エール」で世界的なオペラ歌手・双浦環を好演し、その情感あふれる歌声に絶賛の声が寄せられている柴咲コウ。女優業だけでなく、歌手としても活動する彼女にとってまさにハマリ役と言えるが、最近では公式YouTubeチャンネル「'Les Trois Graces' Channel」を開設し、ホームセッションを開催したり、料理の腕前を披露したり、愛猫と自宅で戯れたり、さらには実業家としての活動をレポートしたり……一つの枠に収まらない多彩な一面を惜しげもなく発信している。今回は、そんな柴咲のマルチな魅力が輝く作品をセレクトしてみた。(文:坂田正樹)

【写真】素敵すぎる!「エール」志村けんさんとの2ショット

『黄泉がえり』(2003)

 亡くなった当時のままの姿で死者が愛する人のもとに帰ってくる“黄泉がえり”という不思議な現象を描いたヒューマンファンタジー。本作で柴咲はRUIという伝説の歌姫を演じ、RUI名義でリリースした劇中歌「月のしずく」は大ヒットした。出演は野外コンサートで歌うシーンのみ。死んだとウワサされていたが、2年ぶりに新曲を発表し、さらに突然の野外ライブを開催するというかなりワケありの設定だ。出演時間も短く、会話をするシーンもないが、恋人のキーボード奏者に悲しげな視線を送りながら、最後の歌「月のしずく」に感情のすべてをぶつけるその姿は、歌手・柴咲コウの誕生を印象づけた。「逢いたいと思う気持ちは、そっと今、願いになる」……さまざまな黄泉がえりのシーンがフラッシュバックするなか、野外に響き渡る柴咲の魂の歌声が胸に突き刺さる。

ADVERTISEMENT

『GO』(2001)

 金城一紀の小説を宮藤官九郎が脚色し、行定勲監督がメガホンを取った青春ドラマ。民族学校から日本の普通高校に進学した在日韓国人の杉原(窪塚洋介)は、ある日、友人のパーティーで同学年の桜井(柴咲)と出会い恋に落ちる。だが、思わぬところで差別の壁にぶち当たり、二人は距離を取るようになる。自ら杉原に声をかけ、不思議ちゃん全開で翻弄しながら、ここ一番で好き好きオーラを出しまくる桜井。その超ツンデレぶりは、まさに柴咲の真骨頂。本作の熱演で第25回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、第75回キネマ旬報ベスト・テン助演女優賞ほか、その年の映画賞を総なめにする。女優・柴咲コウを語るうえで、欠かすことのできない記念碑的作品だ。

『大奥』(2010)

 第13回手塚治虫文化賞を受賞したよしながふみの人気コミックを実写映画化した異色時代劇。男だけを襲う謎の疫病がまん延する江戸時代を舞台に、女将軍・徳川吉宗(柴咲)に仕える3,000人の美男子たちが“逆大奥”をめぐる愛憎劇を繰り広げる。時にはズバッと剛腕を振るい、時にはゆるりと侍や町民に思いを寄せる将軍を貫禄たっぷりに演じた柴咲。特に彼女に接近する侍・水野祐之進(二宮和也)にだけに見せる揺れる女心は、キリッとした普段のたたずまいとのギャップのせいか、ハートを一気に持っていかれる。歴史ファンタジー『信長協奏曲(のぶながコンツェルト)』では、信長の妻・帰蝶をこれまたキリリと演じているが、襖(ふすま)がサーッと開き、彼女がそこに立っているだけで画になる存在感はさすが。NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の座長に抜てきされたのも腑に落ちる。

『47RONIN』(2013)

 日本の「忠臣蔵」を基にしたキアヌ・リーヴス主演の歴史ファンタジー。宿敵・吉良上野介に尊敬する主君・浅野内匠頭の命とサムライとしての身分を奪われ赤穂浪士・大石内蔵助(真田広之)は、わずか47人の兵力で仇討ちに打って出る。その昔、浅野に命を助けられた謎のはぐれ者・カイをキアヌが演じ、彼に思いを寄せる浅野の娘・ミカ役を柴咲が務めているが、緊迫した復讐劇のなかにあって、二人のプラトニックな恋は一服の癒し。妖怪が陰謀を企んだり、クリーチャーが赤穂浪士たちに襲いかかったり、ハリウッド映画ならではの奇天烈な発想に面食らうシーンも多々あるが、出演者全員が日本語を一切話さず、英語のみで押し切ったところが実に新鮮。特に柴咲の情感豊かな英語は、ときめき、怒り、悲しみなどさまざま感情をセリフに乗せて、姫の苦悩を見事に表現している。

『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』(2012)

 益田ミリの人気コミックを実写映画化したヒューマンドラマ。30代の女性、すーちゃん(柴咲)、まいちゃん(真木よう子)、さわ子さん(寺島しのぶ)の仲良し3人組が迷いながらもそれぞれの幸せを見つけていくさまを描く。柴咲演じるカフェ勤務のすーちゃんは、無類の料理好き。お店でも料理を担当し、健康と彩りを考えた野菜たっぷりのメニューを考案。プライベートでは、ピクニック用のお手製弁当を作ったり、部屋に招いて鍋パーティー(スライスレモンをトッピングした鍋が美味しそう!)を開いたり、誰かに食べてもらうことに生きがいを感じている。柴咲自身も料理好きで知られ、YouTubeチャンネルでも多彩なメニューに挑戦しているが、一番の魅力はキッチンの立ち姿。テキパキとした手際の良さもさることながら、作る喜びがオーラとなって伝わってくる。

『どろろ』(2007)

 手塚治虫の同名漫画を実写映画化したアクションファンタジー。身体の48か所を魔物に奪われ、義肢で補っている青年・百鬼丸(妻夫木聡)。彼に興味を持ったコソ泥・どろろ(柴咲)は、強引に相棒となり魔物退治に同行する。柴咲にとって初の本格アクション参戦という特別な作品。「面白れぇことになってきやがったぜ!」などと少年言葉で話すヤンチャなコソ泥という役柄もあり、どちらかというとバトルに巻き込まれた“ガキ大将”といったイメージだ。『バトル・ロワイアル』ではカマや銃でクラスメイトをぶっ殺す過激な一面を披露したが、あくまでも身の丈の動きの範疇。ところが本作は、日頃の鍛錬や運動神経が試される殺陣アクションなだけに、顔を泥まみれにしながら、岩場をよじ登ったり、ワイヤーで吊るされたり、過酷な撮影に挑戦したこと自体に意義がある。ちなみにその1年後、柴咲は『少林少女』で見事なカンフーアクションを披露している。

『ねことじいちゃん』(2018)

 世界的な動物写真家・岩合光昭ねこまきの同名コミックを実写化し、映画監督デビューを飾ったヒューマンドラマ。柴咲は、猫と人々が穏やかに暮らす離島に都会から移住し、カフェを開くヒロイン・美智子を演じている。プライベートでも猫とともに暮らし、YouTubeチャンネルでもその愛らしい姿を披露している柴咲。『ねことじいちゃん』というタイトルと、岩合がメガホンを取るという理由だけで出演を快諾しているところに、猫への愛情が強く感じられる。映像を観ても、終始やさしい表情を浮かべる柴咲だが、特に島猫たちと戯れるシーンは、あふれる母性が隠しきれないよう。ある意味、彼女の素の表情が堪能できる。また、島でカフェを開く役柄から、美味しそうな料理を振る舞う場面も随所に。キッチンで働く姿(特に魚をさばくシーンが素敵!)に嘘がなく、実に魅力的だ。

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT