ディズニー&ピクサー新作『2分の1の魔法』はVRでロケハン!
ディズニー&ピクサー新作映画『2分の1の魔法』はVR(バーチャルリアリティ)も駆使して制作されたという。ストーリー・スーパーバイザーのケルシー・マンや撮影監督のアダム・ハビブらが制作の裏側を明かした。
ピクサーが映画作りにVRを採用し始めたのは、前作『トイ・ストーリー4』(2019)からだ。カウボーイ人形のウッディたちが迷い込むアンティークショップをVRで作ったといい、アーティストたちはゴーグルを着けてその世界に入り込み、小さなおもちゃたちの視点を実際に体感することができた。マンは「あれは本当に役に立った。『これがあればストーリーボード(絵コンテ)を作る上でとても助かるな』と思ったものだよ」とプラスの影響があったと語る。
そして、技術の進歩によって魔法が消えかけたファンタジーの世界を舞台に、死んだ父をよみがえらせる旅に出る主人公イアン&兄のバーリーの姿を描いた『2分の1の魔法』では、VRで6~8場面が制作された。バーリーの愛車や、たくさんの車がひっきりなしに走る高速道路、洞窟、底なしの崖などだ。底なしの崖は、向こう側へ渡るためにイアンが魔法を使って“見えない橋”をかけ、大きな恐怖を乗り越えるシーンで登場する。マンは「あの崖がどんなに深いのかを、僕らは感じることができた」と振り返っており、このスリリングなシーンの誕生の裏にはVRの貢献があったといえるだろう。
アートやセットのチームと共に、撮影監督のハビブもVRを活用している。ハビブは「実際に底なしの崖に立ってみられるのは、本当にクールだった。すごく怖かったよ」と打ち明けつつ、「僕らはそれをやりながら、バーチャルカメラでロケハンをすることもできる。つまり“自分が実際にそこにいたら”というのと、“映画で見る人にはどう見るのか”というのを、同時に理解できるわけなんだ。また、小さな妖精から大きなトロールまでさまざまなサイズのキャラクターたちが出てくるこの映画の世界観を、実際にそのキャラクターの視点から見て確認することもできるんだ」とVRの利点について語っていた。(編集部・市川遥)
映画『2分の1の魔法』は8月21日より全国公開