「太陽の子」三浦春馬さんが語っていた作品への思い
柳楽優弥さん、有村架純さん、先日亡くなった三浦春馬さんが共演するNHKの国際共同制作・特集ドラマ「太陽の子」が、15日(土)よる7時半から総合(BK8K・BS4Kも同時)で放送される。
「太陽の子」は、新型爆弾の開発に関わった戦時下の科学者の苦悩を描く青春群像劇。史実をもとにした若者たちの戦争の悲劇の物語で、柳楽さんが京都帝国大学の学生で、原子物理学を志す科学者の卵・石村修、三浦さんが修の弟で、肺の療養のため戦地から一時帰宅し、再び戦地へ赴く石村裕之、有村さんが修と裕之の幼なじみで、兄弟が秘かに想いを寄せる朝倉世津を演じる。
三浦さんは放送決定時に「散ることを見据え、残された日々をどう過ごすべきか……。家族に対して気丈に振る舞う学徒出陣兵がどれだけつらかったか……。若くして、自分が居ない未来に希望を託す青年の想いを役を通して考えさせられました」と思いを明かし、次のようにコメントしていた。「世界で唯一の被爆国の日本ですが、私たち日本人も原子力爆弾を用いて戦争を終わらそうとしていた事実を、この作品で私同様多くの方が知ることになったあと、今まで以上に日本が平和と希望を願える美しい国になるよう祈ります」
また、7月8日にNHK広島拠点放送局で行われた完成試写会の会見では「戦地で神風として散っていく仲間を目の当たりにしている彼の経験から、療養明け自分(裕之)ももしかしたら散る運命にあるのかもしれないということを、一瞬たりとも忘れてはなかったと思うんですね」と役の気持ちに寄り添い、「裕之の明るい部分でも、漆黒とした感情に移り変わるというむごさみたいなものが表現できたらいいのかなと、現場では思っていました」と撮影時の思いを語っていた。
番組のホームページなどには「三浦春馬さんは、7月18日にご逝去されました。三浦春馬さんは、役作りのために髪を刈り上げて撮影に臨み、戦時下という困難な時代にどう生きるか葛藤する若者を見事に演じてくださいました。謹んでお悔やみ申し上げます」という追悼文が掲載されている。(編集部・小松芙未)