ノーラン映画入門から「女帝」妄想映画化企画まで!攻めてる「映画秘宝」10月号
4月に復刊を遂げた映画専門雑誌「映画秘宝」10月号が21日に発売された。巻頭特集では、最新作『TENET テネット』の公開が迫るクリストファー・ノーラン監督の作家性を徹底解剖する特集企画を掲載。さらに、東京都知事選の直前に出版され大きな話題を呼んだ、ベストセラー本の「妄想映画化企画会議」を本当に実施した、攻めの企画を展開している。
「映画秘宝」初となる「クリストファー・ノーラン映画入門!」特集では、ノーラン監督のバイオグラフィを交え、初長編『フォロウィング』(1998)から『TENET テネット』までのフィルモグラフィーを追いながら、その作家性を解剖していく。
さらに、『TENET テネット』公開日に発売される「メイキング・オブ・TENET テネット」(刊:玄光社)の監修に携わり、本作の秘密の一端に触れたライターの神武団四郎が、今作から新たにノーラン組の製作スタッフに加わったメンバーの影響を予想。特集後半では、ギンティ小林が名作『ダークナイト』シリーズの武装デザインの変遷を総ざらいし、監督の深すぎるこだわりを明らかにする。『TENET テネット』のロゴ変更の経緯など、新作を読み解くキーワードも満載だ。
この“ノーラン祭り”に匹敵する特集が、小池百合子東京都知事の半生に迫った話題のベストセラー「女帝 小池百合子」(著:石井妙子/刊:文藝春秋社)を題材にした「妄想映画化企画会議」。「映画秘宝」が、独断と偏見で実写化に最適な映画関係者として選んだ、『全員死刑』(2017)の小林勇貴監督、『殺し屋1』『麻雀放浪記2020』などの脚本家・佐藤佐吉、奥山和由プロデューサーが集まり、 映画会社の企画会議とまったく同じ思考法で映画化を考える。
「女帝」で書かれた小池都知事の生きざまに惹かれた三人は、早々に意気投合し、すぐさま作品のタッチが「実録不良性感度路線のピカレスクロマン」に決定するなど、気鋭のクリエイターたちが、生き生きと本気モードで映画化を企画。「妄想」と銘打ちながらも、いつか本当に実現する日が来るのでは? と期待せずにはいられない、貴重な特集となっている。
さらに、『悪魔の毒々モンスター』をはじめとしたカルト映画を生み出した映画会社トロマ・エンターテインメントの総帥ロイド・カウフマンのインタビューと共に、U-NEXTで配信されるトロマ映画たちを特集する「よりぬきトロマ映画大全!!」を掲載。トロマが生んだスター監督である『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガンに授けた教えをカウフマンが語っている。
そのほか、9月4日から Amazon Prime Video でセカンド・シーズンが配信される「ザ ・ボーイズ」主要キャストのほか、『窮鼠はチーズの夢を見る』の行定勲監督、1979年に発表した『さらば映画の友よ インディアンサマー』がソフト化される原田眞人監督、『狂武蔵』坂口拓らのインタビューも掲載されている。(編集部・入倉功一)
「映画秘宝」2020年10月号は株式会社双葉社より発売中 定価:1,320円(税込み)