稲垣吾郎&二階堂ふみ共演『ばるぼら』製作発表から2年を経て劇場公開
手塚治虫の大人向け漫画を稲垣吾郎、二階堂ふみの共演で実写映画化した『ばるぼら』の公開日が、製作発表から2年を経て今年11月20日より劇場公開されることが決定した。同作は、稲垣演じる異常性欲に悩まされる小説家が、自堕落な生活を送る謎の女(二階堂)との出会いを経て創作意欲を掻き立てられていく官能ドラマ。2018年11月20日に帝国ホテルで行われた「手塚治虫生誕90周年記念会」式典内で映画化が発表され、翌2019年10月末から開催された第32回東京国際映画祭で上映されたが、長らく劇場公開が決まっていなかった。
原作は、手塚治虫が1970年代に「ビッグコミック」(小学館)に連載した同名漫画。禁断の愛とミステリー、芸術とエロス、スキャンダル、オカルティズムなど、さまざまなタブーに挑んだもので、手塚治虫の実子であるクリエイターの手塚眞が手塚治虫生誕90周年を記念して初の映像化。R15+指定作品として上映される。
共演に渋川清彦、石橋静河、美波、大谷亮介、ISSAY、片山萌美、渡辺えりら。撮影監督を、ウォン・カーウァイ監督作品などで知られるクリストファー・ドイルが務めた。
稲垣、二階堂、手塚監督のコメントは下記の通り。(編集部・石井百合子)
稲垣吾郎(美倉洋介役)
「都会の吹き溜まりに真実は潜んでいる。あらがえない輪廻転生の中に自分の人生もまるごと引きずりこまれていく」そんな思いと共に今も僕の中にばるぼらが生きています。手塚眞監督、スタッフの皆さん、そして役を共に生き抜いてくださった二階堂ふみさんをはじめとしたキャストの皆さんにも心から感謝しています。
二階堂ふみ(ばるぼら役)
曇天の新宿を、稲垣さん演じる美倉洋介と走り続けました。 湿ってて、汚れてて、それでも愛おしさを感じてしまう人間の感情に埋れながらも、美倉先生はひたすら貪欲にそれらを追い続けておりました。 雑踏の中、希望を示してくださり、助けて頂き、感謝しかありません。
手塚眞(監督)
手塚治虫生誕90周年を記念してはじまった映画『ばるぼら』。自分がこれまで描いてきた映画の世界と手塚治虫マンガの接点があるとすれば、この作品に違いないと選んだ原作でしたが、まさに夢のようなキャスト、スタッフが奇跡のように集結し、夢を見ていたかのような撮影、そしてこれも夢の中のようなベルリンのスタジオで魔法のように完成。東京国際映画祭をはじめ多くの国際映画祭への招待。なにもかもが「芸術の女神(ミューズ)」の粋な取り計らいなのだと信じています。稲垣吾郎さんと二階堂ふみさんの美しさはまさに芸術品。そしていよいよ多くの皆さんと夢を分かち合えるときが巡ってきました。恐らくミューズは、映画館から閉塞的な世の中へ奇跡をふりまくことでしょう。愛と狂気についての映画ですから、理屈も言葉も超えて、陶酔の世界を堪能していただければ嬉しいです。
映画『ばるぼら』は11月20日よりシネマート新宿、ユーロスペースほか全国公開