「鬼滅の刃」心優しい主人公・竈門炭治郎に注目!
人気アニメ「鬼滅の刃」のテレビシリーズから続く物語となる映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が、10月16日に公開される。映画の公開を前に、多くの人の心を掴む主人公・竈門炭治郎(かまどたんじろう)のキャラクターとその魅力を改めて振り返りたい。
「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)で連載された吾峠呼世晴の大ヒット漫画を原作としたアニメ「鬼滅の刃」は、人を喰らう鬼がすむ大正時代の日本が舞台。主人公の少年・炭治郎が、家族を殺した鬼を討つため、鬼となった妹の禰豆子(ねずこ)を元に戻すために、“鬼狩り”の道へと進む姿を描く。
テレビシリーズ冒頭、一家の大黒柱として家族を支えながら幸せに暮らしていた炭治郎は、突然母と弟妹を鬼に殺され、生き残った妹の禰豆子も鬼に変貌してしまうという過酷な運命に直面する。鬼に立ち向かうため、打ちひしがれる心を奮い立たせ2年におよぶ修行を重ねて“鬼殺隊”に入り、同志との出会いに支えられながらも、熾烈な戦いのなかで敵の強大さを思い知っていく様子が描かれてきた。
炭治郎の額には大きなあざがあり、花札のような耳飾りを着けているのが特徴。嗅覚に長けており、鬼や相手の急所などの“匂い”を嗅ぎ分けることができる。加えて、炭治郎の能力と言っていいほどなのが、家族や仲間、周囲の人を思う優しい心。炭治郎はそれがとにかく強く、そして分け隔てない。その深い慈しみはともに戦う仲間たち、時には戦いの相手にさえも向けられ、多くの人を惹きつけ、力づけてきた。また、長男というアイデンティティーが強調されるシーンも多い。6人兄弟の長男である炭治郎が、ケガの痛みをこらえながら挑む戦いのさ中で発した「俺は長男だから我慢できたけど次男だったら我慢できなかった」(アニメ「鬼滅の刃」12話より)というモノローグは大きな話題を呼んだが、その言葉からは長男であるという自意識が彼を奮い立たせる原動力になっていることがうかがえる。
声優として炭治郎を演じているのは、「東京喰種トーキョーグール」金木研役、「ピアノの森」雨宮修平役などで知られる花江夏樹。花江は、くじけそうになりながらも前向きに鬼と戦い続ける炭治郎の「諦めない強い意志」を尊敬していると語っていた。「僕も炭治郎役を演じてからは、ちょっと大変なことがあっても、炭治郎が頑張っているんだからもうちょっと頑張ってみようと、いつも励まされています」と影響を受けているという。
公開が控える劇場版は、炭治郎が仲間たちと“無限列車”に乗り込むシーンで終了したテレビアニメ最終話からつながるストーリー。テレビシリーズの山場となった那田蜘蛛山での戦い後、傷をいやしながら訓練を重ねた彼らが挑む新たな任務の舞台が、この“無限列車”。花江は「アフレコ現場は、出演者みんなの気持ちと気持ちがぶつかる熱い空間で僕もアフレコが終わった後『死ななくてよかったな』と本気で思ったくらい燃え尽きるほどに叫びましたし、色々な感情を爆発させる収録でした」と振り返っている。テレビシリーズの最終話からは約1年が経ち、ファンの期待が高まる中、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が10月16日にいよいよ劇場公開となる。(編集部・小山美咲)