『TENET テネット』ほとんどCGナシ!メイキング映像が明かす驚異の撮影
日本でも公開がスタートしたクリストファー・ノーラン監督の新作『TENET テネット』から、可能な限り実際の出来事をカメラに収めようとした、驚異的な撮影の裏側を捉えた、およそ10分にわたるメイキング映像が公開された。
『TENET テネット』は、アメリカのエージェント・名もなき男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)が、「時間の逆行」を武器に第3次世界大戦を止める任務に挑むサスペンスアクション。1度観ただけでは全貌をとらえにくい、謎に満ちたストーリーも話題だが、逆行する時間における奇想天外なアクション、そして、IMAXカメラによって世界7か国で撮影された、迫力の映像も大きな見どころだ。
約10分間のメイキング映像では、主演のワシントンが「まるでドキュメンタリーの撮影のようだった」と振り返る、本物にこだわった製作の裏側が明らかに。公開前から話題を呼んだ、本物のジャンボジェットを建物に激突させたシーンにとどまらず、8キロの高速道路を3週間にわたって閉鎖したカーチェイスなど、壮大なシーンの多くが、合成用のグリーンバックではなく、実際の場所で撮影されていたことが見てとれる。
予告編にも登場する時間逆行のアクションシーンも、ワシントンが自ら“逆行”の動きを習得して挑戦。「今までに見たことのない動きだ。僕らは何度もリハを繰り返した」と語るワシントンは、元アメリカン・フットボール選手の身体能力をもってしても、ハードな撮影だったことを明かしている。名もなき男の相棒ニールを演じたロバート・パティンソンや、エリザベス・デビッキ、ケネス・ブラナーといった主要キャスト、製作のエマ・トーマス、撮影監督のホイテ・ヴァン・ホイテマといったスタッフの証言にも注目だ。
海外誌の ICG Magazine では、本作でVFXが使用されたのは300ショットにも満たないと見積もられており、ノーラン監督もインタビュー内で「だいたいのラブコメ映画よりも少ないかもしれない」と言うほど。これは、過去のノーラン作品と比較しても少ないショット数だといい、公開されたメイキングからは「CGで作られた映像と実際に撮られた映像の違いを観客は気づいている」と語るノーラン監督のこだわりと情熱が伝わってくる。(編集部・入倉功一)