チャドウィック・ボーズマンさん、共演者の出演料を上げるために自分のギャラを寄付していた
先月亡くなったチャドウィック・ボーズマンさんの主演・プロデュース作『21 ブリッジス(原題) / 21 Bridges』に出演したシエナ・ミラーさんが、彼女の出演料を上げるためにチャドウィックさんが自分のギャラを寄付していたことを、Empire誌に明かした。
『21 ブリッジス(原題)』は、警官を狙った強盗犯を捕らえるため、ニューヨーク市警の刑事がマンハッタン島に架かる21の橋を封鎖するべく奔走するアクションスリラー。『アベンジャーズ/エンドゲーム』のアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟と共にプロデューサーを務めたチャドウィックさんは、主演として刑事アンドレ役を務め、シエナさんは主人公の相棒フランキーを演じた。
本作のオファーを受けた当時、シエナさんは過密日程での仕事と子育ての両立で疲弊しており、出演を躊躇したという。彼女はスタジオ側に「私が納得いく出演料が支払われれば出演します」と提案。ハリウッド大作映画であること、当時のハリウッドにおける賃金格差を理解したうえで、彼女はあえてスタジオが納得しない金額を提示したという。
シエナさんの大ファンだったチャドウィックさんは、スタジオ側と交渉。チャドウィックさんのギャラの一部を、シエナさんの出演料として寄付したことで、彼女の出演が実現したという。チャドウィックさんの行動について、シエナさんは「これまで経験した出来事の中で、一番仰天しました。そのようなことは絶対に起きないと思っていたので。彼は『あなたに相応しい金額を受け取るべきです。それだけの価値があります』 と言ってくれたんです。ハリウッドにあんな親切で、敬意をもって対応してくれた男性がいたなんて、想像もしませんでした」と振り返っている。
チャドウィックさんは、4年以上にわたって大腸がんと闘病した末、先月29日に43歳という若さでこの世を去った。 The Hollywood Reporter によると、彼の病状は家族やごく一部の関係者にだけ知らされており、死の直前まで代表作『ブラックパンサー』の続編に出演する姿勢を見せていたという。(編集部・倉本拓弥)