動く実物大ガンダム、足の裏までこだわり
人気アニメ「機動戦士ガンダム」40周年プロジェクトの一環として、12月19日に横浜にオープンすることが決定した「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」開催概要発表会が、29日に秋葉原のUDXシアターで行われ、プロジェクトを推進する、ガンダムGLOBAL CHALLENGE(以下、GGC)リーダーズの本広克行監督、テクニカルディレクターの石井啓範、システムディレクターの吉崎航、クリエイティブディレクターの川原正毅が、プロジェクトについて語った。
「実物大ガンダムを動かす」という夢の実現に挑戦してきたGGC。いよいよ、年内の「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」オープンが決定したことに、石井は「わたしがプロジェクトに携わって3年たちますが、小さいことをコツコツと積み重ねて、やっとここまできたという気持ちです」と感慨深げ。吉崎は「この2週間、動きを作っていますが、“動くね”、“動かないね”といったことを繰り返していて。まだ緊張が解けない状況です」と続けた。
動くガンダム「RX-78F00 GUNDAM」は、全長18mの巨大建造物ということで、すでにSNS等には、遠方から捉えた目撃情報なども投稿されている。本広監督も「今が一番ワクワクするんですよね」と笑顔を見せると、石井も「われわれの把握していないところから撮られているようで。ジオン軍の偵察兵の気分なんでしょうね」と笑ってみせた。
その興奮は開発者たちも同じようで、この日は、それぞれが実物大ガンダムを見るうえでの、オススメシチュエーションを説明。「夜景」「夕景」「雨上がりの水たまりに映るガンダム」など、多彩なポイントが写真付きで紹介されるなか、川原は「さまざまな角度から見ることができますので、昼も夜も夕方も、そこも含めて楽しんでいただけるものを作りたいと思います」と意気込む。
間近で動くガンダムを見ることができる特別観覧エリア「GUNDAM-DOCK TOWER」(ガンダムドックタワー)も設置。石井が「ガンダムドックタワーは(ガンダムまでの距離が)かなり近いので、中の配線の様子もわかりますし、機械の動く音も聞くことができると思います。ただ、実際の音としては、かなり静かなものになっています」と明かすと、川原は「ですから効果音は、実際の音と、ガンダムらしい演出の音とバランスをとりながらつけたいと思います」と補足。また、吉崎は、ディテールを再現した、ガンダムの“足の裏”にも注目してほしいと語る。「足の裏は、普段はなかなか見ることができないのですが、モーションへのひとつのこだわりとして、一瞬、足裏が見えるような動きを作ろうとしている。ぜひ注目していただければ」と明かした。
またこの日は、本広監督が、実際にガンダムを視察した時の様子を捉えた映像も公開。「映像だけで見ると、こんなものかと思うかもしれませんが、山下ふ頭のあの場所で、実物を見たらものすごい感動があります。見ている方はまだあまりいないので、早くみんなと語り合いたいですね。楽しみにしています」と興奮した様子で語っていた。(取材・文:壬生智裕)
「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」は2020年12月19日~2022年3月31日まで開催