「密やかな結晶」Amazonの映画化、監督&脚本家が決定
Amazonが手掛ける、作家・小川洋子の小説「密やかな結晶」の長編映画化作品で、チャーリー・カウフマンが脚本を執筆し、リード・モラーノが監督を務めることが決定したと、Deadlineなどが報じた。
1994年に出版された原作は、「記憶狩り」によって「消滅」が静かに進む島が舞台。小説を書いている“わたし”が、突然大切な思い出が詰まった物や記憶が失われていく中で、記憶を失わない男性R氏を追跡する秘密警察から彼を守りながら、徐々に物よりも人の心の記憶や体験が失われていく恐怖を味わうことになるという内容。英訳版は昨年8月に、日本での出版から25年を経てパンセオン・ブックスから出版され、2019年度の全米図書賞にノミネート、2020年度の英国ブッカー国際賞の最終候補作に選ばれた。
モラーノ監督は、今アメリカで注目されている女性監督の一人で、Huluの人気ドラマシリーズ「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」のパイロット番組でメガホンを取り、エミー賞で監督賞を受賞した。映画『孤独なふりした世界で』ではサンダンス映画祭の審査員賞を獲得している。一方脚色は、『マルコヴィッチの穴』『エターナル・サンシャイン』などの秀作の脚本を手掛け、『脳内ニューヨーク』では監督も務めたカウフマンが担当する。今のところ、キャストは決まっていない。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)