向井理&藤ヶ谷太輔「華麗なる一族」で兄弟役 対照的な富豪エリートに
俳優の向井理と藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)が、WOWOWの開局30周年を記念して制作される「連続ドラマW 華麗なる一族」(WOWOWプライムで2021年春放送予定・全12話)で、兄弟役として共演することが27日、明らかになった。山崎豊子の同名小説に基づき、関西の政財界で閨閥(けいばつ)を張り巡らす銀行家一族の栄枯盛衰を描く物語で、向井と藤ヶ谷は主人公の頭取・万俵大介の息子を演じる。
2007年1月クールに放送された木村拓哉主演のTBS日曜劇場など、これまで度々映像化されてきたベストセラー小説に基づく本作。物語の舞台は、高度経済成長期の日本。預金高10位にランクされる阪神銀行の頭取にして多くの事業を手掛ける万俵大介(中井貴一)は、長女の夫である大蔵省のエリート官僚から都市銀行再編の動きを聞きつけ、生き残りをかけて大手銀行を吸収合併しようと画策していく。
大河ドラマ「麒麟がくる」の将軍・足利義輝役も記憶に新しい向井は、心が広く情熱あふれる万平家の長男・鉄平に。東大卒業後、アメリカのマサチューセッツ工科大学に留学。業界トップクラスの特殊鋼メーカー・阪神特殊製鋼の専務であり実質的経営者。経営者としてよりも技術者としての性質が強く、現場に常に熱意を持って接しているため社員たちに慕われ、母や弟、妹たちからも愛されている。その一方で、大介の自身に対する歪んだ愛情に疑問を感じている。
一方、藤ヶ谷は今年1月期放送の「やめるときも、すこやかなるときも」(日本テレビ系)以来のドラマ出演。演じる鉄平の弟・銀平は冷静沈着な切れ者。父・大介と同じ慶応大学の経済学部を出て、本店営業部の貸付二課(商業部門が貸付対象)課長に。昼は銀行員だが、夜はバーやナイト・クラブを飲み歩いている。冷ややかな男だが、母には確かな愛情を示し、信念を持って生きる兄・鉄平を心から尊敬している。万俵家の繁栄のため、閨閥づくりを進める父と家庭教師から、ある縁談を持ち掛けられ強引に進められそうになる。
向井は、本作に「初めて台本を読んだ時、喜怒哀楽様々な感情が揺さぶられ、重厚かつ複雑な人間関係のなかにも横たわるリアリティに圧倒されました。当時の時代背景などを勉強する中でも、いかにこの作品が異質な光を放っていたのかと驚嘆します。二度目に読んだ時、悔しさと苦しさに涙しました。そして泣くことすら許されなかった万俵鉄平という男を演じると考えると、改めて身震いする思いです」とコメント。藤ヶ谷は「彼は無感動な表情で、はっとなるような冷たい事を平気で言うニヒルな面が常にあります。しっかりとニヒルな面を使い分けられるよう、監督を始めチームと創っていけたらなと思っております。嫌な奴に見えると思いますが、甘えや我慢なども丁寧に、そして彼がしゃべると空気やリズムが変わるよう演じられたらなと思っております」と意気込みを語っている。
脚本は、大河ドラマ「軍師官兵衛」(2014)やドラマ「沈まぬ太陽」(2016)、映画『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』(2019)などの前川洋一。演出に、ドラマ「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」シリーズや「ハラスメントゲーム」(2018)などの西浦正記ら。(編集部・石井百合子)