『罪の声』キツネ目の男は「わたナギ」水澤紳吾!ギャップに驚き
かつて日本を震撼させた昭和の未解決事件モチーフにした塩田武士のミステリー小説に基づく、小栗旬の主演映画『罪の声』(公開中)。本作で事件のカギを握る“キツネ目の男”を怪演したのが水澤紳吾。今年放送された多部未華子主演ドラマ「私の家政夫ナギサさん」では不愛想だが頼れる製薬会社の社員を好演しており、そのギャップも話題を呼んでいる。
本作は、35年前に起きた食品会社を標的にした未解決の企業脅迫事件を追う新聞記者・阿久津(小栗)が、当時の関係者に取材を重ねるうちに、京都のテーラー店主・曽根俊也(星野源)をはじめ犯行の脅迫テープに声を使われた3人の人物にたどりつくさまを描く。水澤は、当時の捜査員が事件現場で度々目撃したキツネ目の男を演じており、映画の番宣では星野が「キツネ目の男が出てくるところのリアリティーがすごくないですか……? 動くキツネ目の男が出てくるっていうのがすごいなと……」と身震いしていたが、映画を鑑賞した人々からも「ゾッとした」「ガチで怖い」と戦慄の声が上がっている。
水澤は、宮城県出身の44歳。これまでに組んできた監督たちは、井筒和幸、いまおかしんじ、入江悠、内田英治、大森立嗣、武正晴、吉田大八、李相日ら錚々たる面々。入江悠監督とは度々組んでおり『SR サイタマノラッパー』シリーズではヒップホップグループのMC TOM役に。李相日監督の映画『怒り』では夫婦惨殺事件の真犯人を知る人物にふんし、出演シーンは多くないものの強烈な存在感を発揮。吉田大八監督の舞台「クヒオ大佐の妻」では少年(!)を演じるなど、演技の幅が驚くほど広いことで知られる。
秋葉原無差別殺傷事件の犯人をモチーフにした2012年の映画『ぼっちゃん』では、孤独な派遣労働者の青年役で映画初主演。第23回日本映画プロフェッショナル大賞新進男優賞に輝いた。なお、『罪の声』ではキツネ目の男が脅迫テープの声の主の一人・生島聡一郎の幼少期にトラウマを残す場面があったが、その聡一郎の中年期を演じた宇野祥平とは『ぼっちゃん』で密な共演を披露していた。
近年では、「私の家政夫ナギサさん」でのヒロイン(多部未華子)の同僚・馬場穣二役が話題に。超草食系に見えて、婚活をさらっと成功させて同僚たちの度肝を抜くなど、意外性のあるキャラクターで人気を博し、同役とのギャップに驚く人も多く見られた。(編集部・石井百合子)