不穏…!東出昌大「スパイの妻」で存在感ある演技
公開中の映画『スパイの妻<劇場版>』で東出昌大ふんする津森泰治が、「不穏すぎる」と反響を呼んでいる。
本作は、太平洋戦争前夜を舞台に、満州で偶然恐ろしい国家機密を知った貿易会社を経営する優作(高橋一生)と、夫の秘密を知ろうとする妻の聡子(蒼井優)が運命に翻弄(ほんろう)されるさまを描く。先日開催された第77回ベネチア国際映画祭で、黒沢清監督が銀獅子賞(最優秀監督賞)を獲得したことでも注目を浴びている。
東出演じる泰治は、聡子の幼なじみで神戸憲兵分隊本部の分隊長を務めている。物語の序盤は、優作や聡子に対して優しく親切に接するが、国の方針に沿わない服装や言動について彼らに指摘することも。そして、優作が反逆者かもしれないと知ると、冷徹な一面を見せていく。不穏さを漂わせる泰治についてSNS上では、「存在がホラー」「不気味」「恐怖を感じた」といった感想が見受けられた。
東出は、『クリーピー 偽りの隣人』(2016)、『散歩する侵略者』(2017)、『予兆 散歩する侵略者 劇場版』(2017)に続き、黒沢監督作品に出演。黒沢監督は、『スパイの妻』の舞台あいさつで、東出について「僕は大好きなんです。ご本人嫌がるかもしれないんですけど、“怪しい”んです。妖の“妖しさ”もあって。あらゆる面の“あやしさ”を持っている」と評価。「出てきた瞬間、なにか起こりだという感じがする」とその存在感が好きだと語っていた。
なお、11月6日に公開が控える田中裕子主演の『おらおらでひとりいぐも』では、蒼井と夫婦役を担い、徳川慶喜役を務める『峠 最後のサムライ』(2021年6月18日公開)には、優作の甥・竹下文雄役の坂東龍汰も出演する。(編集部・梅山富美子)