“土星生まれ”の伝説のミュージシャン、サン・ラーのSF映画がついに日本初公開!
自らを“土星生まれ”と語る伝説のミュージシャンで1993年にこの世を去ったサン・ラーさんが脚本・音楽・主演を務めた1974年の米SF映画『SPACE IS THE PLACE(原題、宇宙こそ我が故郷)』が、『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』の邦題で来年1月29日に日本初公開される。
『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』は、彼の音楽を原動力に黒人文化の救済を描く映画。音楽を燃料に大宇宙を航行するサン・ラーは、地球とは違う理想の惑星を発見。アメリカにいる黒人たちをジャズの力で移送する計画を立てるが、その技術を盗もうとするNASA(アメリカ航空宇宙局)に追われることになる。ミュージカルやSFオペラ、社会評論の要素を組み合わせた本作は、サン・ラーさんの鋭い精神状態を視覚的に表現したもので、「音楽」は人種的抑圧からの解放という当時の政治的希望を反映した銀河間の兵器として使われる。
約半世紀を経て突如、日本初公開されることになった今回の上映では、残されていた唯一の35mmプリントからスキャンして、オリジナルの画面サイズであるスタンダードサイズ(1:1.33)で史上初めて作られたデジタル素材が使用される。オリジナルの81分のバージョンで、オリジナルフィルムの状態を最大限に再現するため、修復は一切されていない。(清水一)
映画『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』は2021年1月29日(金)よりアップリンク吉祥寺、新宿シネマカリテほか順次公開