末期がんを患った『ハロウィン』ファン、亡くなる前に新作を鑑賞
映画『ハロウィン』シリーズの大ファンで、末期の食道がんを患っていた米・サウスカロライナ州出身のアンソニー・ウードルさんが、シリーズを製作するラフ・ハウス・プロダクションズの許可を得て、来年10月全米公開の新作『ハロウィン・キルズ(原題) / Halloween Kills』を観賞したとDeadlineが報じた。アンソニーさんは新作鑑賞後、息を引き取っている。
映画監督志望で、『ハロウィン』シリーズの大ファンだったというアンソニーさんは、2019年に食道がんと診断されたとのこと。その後、彼が働いていた映画館の同僚が『ハロウィン』のデヴィッド・ゴードン・グリーン監督にアンソニーさんのことを話すと、監督は彼のために、シリーズ主演のジェイミー・リー・カーティスを紹介したという。
ジェイミーとアンソニーさんは、新作『ハロウィン・キルズ(原題)』やアンソニーさんの健康状態を語り合う仲に発展。残り少ない時間でアンソニーさんは、ガールフレンドであるエイミーさんとの結婚を考えており、ジェイミーは司式を務めることを快諾し、結婚式を9月13日に行うと決定。結婚式の前に、ラフ・ハウス・プロダクションズとデヴィッド監督は『ハロウィン・キルズ(原題)』の特別試写をセッティングし、アンソニーさんとエイミーさんは、誰よりも早く映画を鑑賞することができた。
その後、アンソニーさんの病状が悪化し、ジェイミーは電話越しから司式を務め、本人はベッドに横たわった状態で挙式。家族に見守られながら、エミリーさんと結婚できたという。アンソニーさんは挙式後、1時間足らずで息を引き取った。エミリーさんは「あの映画を観ている間と観終わった後、わたしは最も多く彼の笑顔を見ました」と同サイトにコメント。司式を務めたジェイミーは「アンソニーさんは世界で最も素晴らしい映画『ハロウィン』シリーズのファンでした」と故人をしのんだ。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki、編集部・倉本拓弥)