タイラー・ペリーが5000世帯に食料とギフトカード提供
俳優、映画監督、劇作家などマルチに活躍するタイラー・ペリーが、自身が保有するアメリカ最大の撮影スタジオ、タイラー・ペリー・スタジオで、野菜の缶詰と25ドルのギフトカードを5,000世帯に提供したと、The Hollywood Reporter ほか複数メディアが報じている。
現地時間22日午前8時スタートのサービスを求めて、前日から並び始めた人々もいたようで、ジョージア州アトランタの南部にあるスタジオでは、なんとその列が一度は5マイル(約8キロ)にものび、日曜日の朝10時には全て食べ物が無くなってしまったそうだ。このサービスは、マスクを含めた感染症対策のための防護具を付けたボランティアが対応していた。
タイラーは、ルイジアナ州ニューオーリンズの貧困家庭に育ち、日々家庭内での虐待を恐れ、10代の頃には一度自殺未遂をしたこともあった。だがオプラ・ウィンフリーの番組で、「その日思ったことや体験したことをつづる日記を毎日つける特集」を見たことがきっかけで、これまでの苦痛の日々を自ら解放していった。その後、マデアおばさんを主人公にした舞台劇で、脚本、出演、監督を務め、主にアフリカ系アメリカ人の観客を呼び込んで成功を納め、さらにアカデミー賞にノミネートされた映画『プレシャス』では製作総指揮を務めた。2008年には、アトランタに24万平方メートルもの敷地を持つスタジオを設立し、その中に音響ステージ、編集施設、撮影用のセット、劇場、試写室なども作った。
また、2011年9月にはフォーブス誌が選んだ「エンターテインメント界で最も稼いだ男性」のリストが発表され、2011年5月までの1年間の収入が1億3,000万ドル(約136億5,000万円=1ドル105円計算)で1位となるなど、まさに貧困からアメリカンドリームを体現した人物。 (細木信宏/Nobuhiro Hosoki)