『魔女がいっぱい』アン・ハサウェイ演じる魔女が怖い!「もっと激しく!」とどんどん邪悪に
ファンタジー映画『魔女がいっぱい』でメガホンを取ったロバート・ゼメキス監督(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ)が、大魔女役の第1希望だったというアン・ハサウェイとの夢のタッグを振り返った。
アンが本作で演じたのは、メイクとカツラで口裂けハゲ頭を隠し、オシャレな美女の姿で人間の世界にまぎれ込んでいる邪悪な大魔女。人間の子供を何よりも嫌悪する魔女たちを率いて、子供たちを一人残らず駆逐しようと恐ろしい策略をめぐらせている。劇中、衝撃的なビジュアルで大暴れするアンはトラウマものの衝撃度だ。
ゼメキス監督は「彼女がこういう役をやるのをこれまで一度も見たことがなかった。でも彼女には、大魔女を演じる能力があることがわかっていた」とアンを信じてオファー。その演技を「大魔女は常にとても邪悪なキャラクターで、アンはそのことをよく理解して演じていた。だから、彼女の演技には真実味が感じられるんだ。そのことがこのキャラクターをとても説得力のあるものにしていると思う」と絶賛する。
撮影現場ではゼメキス監督からアンに「もっと激しく!」「もっとやって!」と要望を出し、大魔女はどんどん邪悪になっていったのだそう。「でも、僕たちの意見はとてもよくかみ合っていた。彼女と僕は二人ともこのキャラクターがどういうものかについて完全に理解できていて、同じ意見だった。なぜなら、僕たちには(ロアルド・ダールの)原作本があったからだよ。オリジナルのストーリーの中で大魔女がどのように描かれているかということにインスピレーションを得て、僕たちのストーリーの中に入れ込んだんだ」
ダールの児童書「魔女がいっぱい」は『ジム・ヘンソンのウィッチズ』(ニコラス・ローグ監督)というタイトルで1990年にも実写映画化されているが、原作と対照的なエンディングにダールは嫌悪感を示していた。ゼメキス監督は再び「魔女がいっぱい」を映画化するにあたり、エンディングを小説に忠実なものにすることが重要だったと語り、「なぜなら僕にとって、それがこの物語の肝心なところだったから」と力説する。「この物語は少年に対して、死の必然性を受け入れることについて語っているんだ。それは子供向けのストーリーで描くには興味深い題材だと思う。そして、最高の物語というものはいつだって、そういうレベルで読者や観客に訴え掛けている。とても複雑な問題を、子供たちが受け入れやすい方法で描いているんだ。原作に完全に忠実であることが、僕がこの映画を作るにあたってとても重要だったんだよ」と明かしていた。(編集部・市川遥)
映画『魔女がいっぱい』は公開中