「おちょやん」篠原涼子、自分と対極の“しっかり者”の女将役「みなさんをだましたい」
連続テレビ小説「おちょやん」(月~土、NHK総合・午前8時~ほか)で、ヒロイン竹井千代の奉公先である芝居茶屋の女将を演じている篠原涼子。自身とは「全然違う」という“しっかり者”の女将役について思いを語った。
篠原涼子「おちょやん」で初の朝ドラ!芝居茶屋の女将に【写真】
杉咲花がヒロインを演じる「おちょやん」は、明治の末に大阪の南河内の貧しい家に生まれた千代が、女優への道を駆け上がる姿を追う物語。朝ドラ初出演となる篠原が演じるシズは、千代が女中奉公することになる芝居茶屋「岡安」を取り仕切る女将。仕事には厳しい面もあるが、道頓堀を深く愛しており、千代にとってもう一人の母親といえる存在となっていく。シズについて篠原は「芯がしっかりした女性です。シズの言葉には深い意味があって、私にとってもためになることが多く、すごくすてきでかっこいいと思います」と述べる。
「千代とは生育環境は真逆だと思いますが、小さいころから岡安を継ぐためにお茶子修業をしてがんばってきたというところは似ているので、千代に対して、自分の幼いころを見ているような目線と気持ちを持っていると思います。いろいろな苦難を乗り越えるなかで、出会った人たちから助けてもらったり何かを学んだり、そこに感謝の気持ちを持ちながら生きてきたという共通点があると思います。基本的には厳しい女性で、千代が入ってきた当初は冷たくあしらいますが、実は、心は温かい。家族といっしょにいるシーンなどで、温かいシズの一面が伝わればいいなと思います」
篠原自身とは異なるところも多いようで「家庭を持つ一人の母親という意味では、私自身と境遇が共通していますし、夫に『(娘を)甘やかしすぎ』などと言ってみたり、家族を大切にしていますよね。でも、シズはすごくしっかりしていてなんでもできる女性なので、そこは私とは全然違うなと思います。私は基本的に『できない』タイプなので、この役を利用して、『デキる女』『しっかり者』のイメージを持っていただけるように、演技でみなさんをだましたいと思います(笑)」という。
また、絆を深めていく千代を演じる杉咲については「常にいろいろなことを考えていらっしゃるなと感じます。すごく目力があって、お芝居に対しても真摯に向き合い本当に千代になりきっていて、現場を引っ張っていってくれて助けてもらっている気がします。私自身も、シズとして千代ちゃんがやりづらい状況にならないようにと必死です。千代の真っすぐな感じは、杉咲さん自身と同じですよね。千代に対してはシズとして、そして、杉咲花ちゃんに対して私自身が、『支えてあげたい!』と思っていて、心から応援したい気持ちがあります」と語る。
まだまだ奉公をはじめたばかりの千代だが、これから二人がどのような関係を築いていくのか、物語の注目ポイントとなる。「最初は千代との関係が表面的にしか見えないと思いますが、この先、どんどん絆が深まっていきます。シズは、これからどんな視線を千代に向けることができるのか、千代はシズに対してどれだけ心を開いてくれるのか、というところに目を向けていただきたいです。知識も経験もある女将として存在しているシズですが、お茶子修業にきた千代と出会うことによって、逆に、いろいろ教わるような人間模様も描かれています。いくつになっても人って成長できるんだな、子どもに教えてもらうこともあるんだな、と感じていただけるんじゃないでしょうか」と見どころを明かしている。(編集部・大内啓輔)