小林薫、外見から吉田茂に!『日本独立』驚きの特殊メイク
第2次大戦終戦直後の日本を舞台に、独立を見据えてGHQと渡り合った、吉田茂と白洲次郎の絆を描く映画『日本独立』。一見、演じている俳優がわからないほどの特殊メイクで、後の内閣総理大臣・吉田茂になりきったのが、『深夜食堂』シリーズなどの小林薫だ。
『プライド 運命の瞬間』などの伊藤俊也監督がメガホンを取り、吉田と白洲を中心に、終戦から憲法制定、主権回復に至る歴史の舞台裏を描き出す本作。米国主導で早急に憲法改正を推し進めようとするGHQとの交渉で、最前線に立って戦った白洲役は、『マイティ・ソー』『バトルシップ』などハリウッド映画でも活躍する浅野忠信が務めた。
小林は、吉田を演じるにあたり、顔つきが違うと観客が違和感を感じるという理由から、「とりあえず吉田さんにしてください! と言ったんです」と外見まで変えることを望んだという。一方の伊藤監督は、当初はそのままの外見で吉田を演じてもらうつもりだったが、メイクアップアーティストのカズ・ヒロ(旧:辻一弘)が、ゲイリー・オールドマンを見事に変身させた『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』のように、メーキャップで似させることを選択した。
特殊メイクを担当したのは、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」で、本木雅弘演じる斎藤道三の丸刈り頭などを手掛けた江川悦子。“吉田茂”メイクについて江川は「小林さんは面長な顔立ち、吉田茂は丸顔と骨格が全く違うので、その調整が難しかった」というが、その出来栄えは、小林自身が「それほどメイクをしているわけではないのに、そっくりだった」と驚くほど。劇中では、白洲と激しく議論を交わすシーンも見どころのひとつとなり、江川は「吉田茂は小柄ながら、バイタリティーあふれる頑固なイメージ。自在に顔を動かせて喋りやすくするよう気をつけた」と明かしている。
「見るからに特殊メイクというのではなく、『なんだか知らない役者かな』と思いながら見ていると小林さんの特殊メイクの顔だったんだと驚かれること。思ってもらえることが嬉しいことです」という江川。共演者からは、期待通りの反応が寄せられており、白洲次郎役の浅野は「“小林薫さん”とは、現場でお会いした記憶がありません(笑)」と表現している。(編集部・入倉功一)
映画『日本独立』はTOHOシネマズシャンテほか全国公開中