ヤバすぎてR18+指定…ブラックメタル・バンド「メイヘム」の狂乱の青春映画3月劇場公開
悪魔崇拝主義を標榜し、過激なライブパフォーマンスとコープスペイント(死化粧)で初期ブラックメタルシーンの中核的な存在となったバンド「メイヘム」の狂乱の青春を描いた映画『ロード・オブ・カオス』が2021年3月26日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにて劇場公開される。描かれるブラックメタルの黎明期があまりにも過激だとして、本作は映倫からR18+指定を受けた。
始まりは1987年、ノルウェー・オスロ。19歳のギタリスト、ユーロニモスはボーカルのデッドたちと共に“真のブラックメタル”を追求するバンド「メイヘム」の活動に熱中していた。デッドは、ライブ中に自身の体を切り刻み、観客にその血をかけたり豚の頭を投げたりといった行為を繰り返し、メイヘムはその過激さもあって熱狂的にブラックメタルシーンに受け入れられる。しかし、そんなデッドはショットガンで自殺。発見者のユーロニモスは、親友の悲惨な遺体の写真を撮り、頭蓋骨の欠片を友人らに送付し喧伝することでカリスマ化。レコードショップ「ヘルヴェテ(地獄)」を根城に、“誰が一番邪悪か”を競うインナーサークルを作り、王として君臨するようになる。しかし、メンバーのヴァーグが起こした教会放火事件を契機に、主導権争いはし烈なものに。歯止めが効かなくなった先には、彼らですら想像しえなかった狂乱が待ち受けていた……。
1年間の準備の末に主人公ユーロニモスを演じたのは、マコーレー・カルキンの実弟、ロリー・カルキン。ボーカルのデッドを演じたのは、ヴァル・キルマーの息子ジャック・キルマーだ。監督は、ブラックメタルの父というべきバンド「バソリー」の元ドラマーであり、ローリング・ストーンズ、マドンナ、ポール・マッカートニー、メタリカなどのMVも手掛けたヨナス・アカーランド。当時のメタルシーンにいた彼ならではの演出と、関係者への綿密な取材であの時代の音楽と世界観を完璧に再現し、メンバーの心情を繊細かつ大胆に活写している。音楽は、ポストロックバンドのシガー・ロスだ。(編集部・市川遥)
日本公開に寄せて~監督からのメッセージ
過去20年間、様々な監督が様々な形でこの作品を監督するという話が出ていた。何人かの監督が、この作品に手をつけ完成させようとしていたことも知っているよ。興味深いストーリーで、良い映画を作れるだろうと思っていたから、私も気にかけていたんだ。だけど、急いでこちらからアクションを起こすことはしなかった。そうしたら、日本人のプロデューサーがやって来てね。原作「ブラック・メタルの血塗られた歴史」の権利を持っていると。私のところに来る前に、彼は日本人の監督にこのプロジェクトをやらせようとしていたようだ。だけど、正直結局その監督がどうなったのかはわからない。彼がこの話を持ってきた時、すでに私はこの映画についてずっと考えていた。本はインスピレーションとしてはあまり使わなかったのだけれど、色々な権利がクリアされていて助かったし、彼は私の良いパートナーでもある。そこから映画完成までの長い旅が始まったんだ。第一に、この映画が日本で公開されるというのは非常にハッピーだよ。この瞬間をずっと待ち続けてきた。日本のお客さんが楽しんでくれるといいな。日本人のプロデューサーが私のパートナーであるということもあり、日本公開が一つのゴールでもあった。映画館で見てもらえるといいな。他の人たちと一緒に大きなスクリーンで見るべき素晴らしい映画だからね。
映画『ロード・オブ・カオス』は2021年3月26日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにて公開 以降順次公開